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アイバーソン引退に思うこと

2013-11-27 00:39:21 | NBA
DUNK SHOOT (ダンクシュート) 2014年 01月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
日本スポーツ企画出版社


25日に発売されたNBA情報誌「ダンクシュート」の特集は引退を発表したアレン・アイバーソンだった。

身長183㌢しかないにも関わらず、たぐい稀な運動能力でNBAを席巻。2000~01年シーズンにはレギュラーシーズンのMVPに選ばれファイナルにも進出。ジャージの売り上げでもトップに立つなど、ジョーダン引退後のNBAを支えた1人であることは間違いない。

コート上では誰にも敬意を払わない

俺を止められる唯一の人間は俺だけ


と強気な発言が反感を買ったこともあったが、実力は文句のつけようがなく、

俺はサイズでプレーしているんじゃなく、ハートでプレイしているんだ!

の言葉は多くの共感を呼び、背が低くてもできるんだと勇気をもらった人は世界中にいたはずだ。

だがその実力の高さに天狗になったかどうかはわからないが、素行の悪さは入団時からで、練習をよくサボった。これをブラウンヘッドコーチが咎めると、アイバーソンは記者の前で平然とこう言い放った。

たかが練習にそんなに力を入れるのはバカバカしい。俺がサボったのは試合じゃない。たかが練習だよ

と。この考えが彼の選手生命を縮めたのは明白だった。30歳を過ぎ、チームを76ersからナゲッツ、ピストンズと移籍するたびに成績は下降する一方。09-10シーズンを最後にNBAの舞台には立つことができなくなってしまった。若いころにサボった‘ツケ’が出てしまったわけだ。

競技は違うが先日、ヤクルトの宮本慎也の特集番組を見たときのこと。入団時の監督であった野村克也はこう言っている。「ヤクルトの練習の虫の三羽烏 宮本・稲葉・真中。彼らを探すのは簡単だった。神宮の室内練習場に行けば必ずいるから」と。

アイバーソンはアマチュアから有名でドラフトでは全体の1位で指名されたが、3人はアマチュア時代は決して目立つ存在ではなかった。それが練習に練習を重ね、宮本、稲葉は40歳を過ぎても現役を続け、2000本安打を打つまでの選手になった。

このエピソードは前々から知っていたが、もしアイバーソンが努力の虫だったら‥‥と思うと残念でならない。

「球道、即、人道」
これはPL学園の中村元監督の座右の銘だが、野球だけでなくバスケットボールにも言えることである。


アレン・アイバーソン。また1人、同学年の選手が引退してしまった。


アレン・アイバーソン自伝―もうなにも恐れない
ジョン・スモールウッド
イーストプレス


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