第二次大戦時の日本軍にも空挺部隊が存在した。本書は、この知られざるエリート部隊について、創設の経緯、装備編成から運用の軌跡に至るまでをコンパクトにまとめて、わかりやすく紹介する。特に旧帝国陸軍の挺進連退、あるいは旧帝国海軍落下傘部隊としての横須賀第一・第三特別陸戦隊の1942年初頭の活躍を中心に、1944‐45年の最後の戦いまでを、米軍の戦時情報資料をもとに、なおかつその不備を正しながら追いかける。珍しくも貴重な写真、精密な再現イラストを交えて、戦史の陰に埋もれた精鋭部隊の足跡に迫った好著。
横須賀第一特別陸戦隊によるメナド降下作戦
横須賀第三特別陸戦隊によるクーパン降下作戦
落下傘は、ほぼ独占的に藤倉航空工業株式会社が製造した。
絹の輸出大国であった日本と戦争状態にあった諸外国では、落下傘々体を絹製からレーヨンあるいはナイロン製に切り替えざるを得なかったが、日本は絹を使い続けた。