今晩は!
お握りのこだはりそれぞれ在るんですね。ふだんはごはんは一膳だけ。それも食べきれない時がある。
小学校高学年か中学の時。姉が、炊きたてごはんで手を真っ赤にして塩むすびをこしらえてくれて。ふたりしてほいほい、「熱っつ」とお手玉をするように手渡され、つぎつぎと頬張ったおむすびが一番の思い出ですね。
個展の会期中持って行く時は、おむすびの小振りなものに、カツオ・梅干しの入った海苔おむすび4個。
近くにコンビニやほか弁、なんとか寿しとかあってそれを最初は物珍しく利用していたのですが。わたしの場合は一番安いノリ弁が一番。でも、飽きてきたのですね。
ごはんが不味いと。
で、おにぎりを持ってゆくように。それほど凝ったものお弁当ではありません。海苔巻きお結びに、玉子焼き、お新香、牛缶(馬肉でも鯨肉でも拘りません)。
ギャラリーを開けるのは10時。そのまばらな人通り少ない時にお弁当を食します。ちなみい私の起床は午前三時。
二時間弱の電車時間。着いて早々に食します。
梅干しから食べるか、カツオから食べるかるかその日の愉しみ。
後は玉子焼きとお新香二きれ。モグモグ食べるごはんの合間に、門歯でかみ切るその噛み応えがたまらない。四個にあわせて半分ずつ食べてゆく。牛缶はなるべく凝ごおった汁(ゼリー)を搦めつつ食し。口中にて溶けるをたのしみつつ。
と、いってもいつ不意にお客が訪れるかもしれない緊張感はありつつ。咀嚼。
不安状態ながら。味わい、噛み砕く時間が沁み滋味となること。
売れない作家の、いじけメシのわびしい愉しみとも。ものすごくこの時、海苔むすびごはんが珠玉の短編映画のように味わえる。