ヒトリシズカ特論 その2

日本の四季の移り変わりなどを、身近な場所に行って、その場での観察などによって、ご紹介しています。

埼玉県比企郡吉見町にあるさくら堤公園では、早咲きのヒガンバナの花が咲いています

2020-09-21 00:00:05 | 季節の移ろい
 埼玉県比企郡吉見町の水田地帯の中にあるさくら堤公園では、ヒガンバナの花がよく咲いています。

 このさくら堤公園では、堤の斜面に植えられたソメイヨシノの大木(たいぼく)の根元では、ヒガンバナが群生して咲いています。





 この“ヒガンバナ”たちは、埼玉県のほかのヒガンバナ群生地に比べて、約2週間も早く花を咲かせます。



 この早咲きの“ヒガンバナ”は「シナヒガンバナ」あるいは「コヒガンバナ」という早咲きの品種です。







 普通のヒガンバナは染色体が3倍体であるために種ができませんが、この「シナヒガンバナ」(あるいは「コヒガンバナ」)は染色体が2倍体です。このため、種ができるそうです。

 「シナヒガンバナ」は、朱色の花以外に、オレンジ色や白色に近い、花も咲かせます。





 この「シナヒガンバナ」の中の朱色の花は一部がしぼみ始めています。花は1週間ほど前から咲いていた様子です。





 このさくら堤公園は、(たぶん江戸時代に)5から6メートル程度に土を盛り上げて、荒川沿いに堤をつくったそうです。

 この辺りは水田が広がっています。この水田を守る長い堤です。

 さくら堤は約1.8キロメートルほどの長さです。現在は、堤の上は舗装され、有名なサイクリングロードになっています。



 今回、このさくら堤公園を訪れた時は、曇り時々、小雨でした。ただし、ソメイヨシノの大木の下は葉がまだ繁っていて、雨が落ちてきませんでした。

 この早咲きの「シナヒガンバナ」の花がしぼむと、今度は普通のヒガンバナの花が咲き始めます。