何気なく見ているカレンダー、こんな中にも「ホッ」と出来る場所がある。
ここは無意識への入り口。一日に何度でも繋げた方がいい魂のホームポジション。
無意識に流れ込む情報量は少なくても毎秒1100万 僕らの意識に上ってくる情報はたったの20だけ
無意識はこの矢印の間から話しかけてくる。知恵の宝庫。
「Qure!」16 やっと話が始まるようですよ
テト吉の知恵
「やあテト吉、こんばんは、僕は、今日もいろいろが全然ダメだった」
ユウヤが猫に話しかける。今日みたいに落ち込む度に、ペリオディック号の錨が収納してある倉庫の隅の物入れに隠れるのだ。ここは入港や出港の時に使う道具類を入れておくだけの場所なので、自分の部屋のように使っていてもだれも来ないプライベートなスペースがない船内で唯一の安息地なのだ。
今日の魔法教室でのユウヤは最悪だった。杖を小さなバーナーのようにして青い炎を出してみたのだが、自信がないために最後まで杖の方向を保てず、生徒の一人に軽いやけどを負わせてしまった。
ユウヤの杖は手に持つところに極上のパライバトルマリンが強い光を発している。誰も持っていないような極上品だ。だから炎が他の生徒より多少大きかったのだが、ユウヤはそれだけでこわいのだ。
そういえばノエルが足を滑らせて海に転落しそうになったときにも、セイラーが助けに行くまでぴくりとも動けなかった。本当に気が小さいユウヤなのである。
そのとき、突然どこからかユウヤの脳に直接声が聞こえた。