今治の裁判所の近くで印刻店(印正堂)を営んでおられた杉野正さんが亡くなられたのは昭和62年1月3日のことでした。59才と云うお歳でした。正さんは優れた印刻士として評価されこれからもまだまだいい仕事が出来るお歳でしたが残念なことでした。
前住の落款印や私の実印なども印刻してくださったのでしたが・・・、
正さんの書斎には千冊を越える印刻、書道、漢字に関する書籍が残されていました。奥さんが申されますのに「主人は60を越えたらこれらでもう少し字の勉強がしたいと云っていました」と、それらを全て寺に移管されたのでした。私はそれらの中で寺の書庫に必要と思われる書籍類を残して全て大三島の図書館へ納めさせてもらいました。
11月に杉野さん宅の報恩講にお参りをしましたら「この硯は主人がいつも使っていたものですが、ご院家さん使っていただけますか」と形見として下さいました。正さんが印刻の下字をこの硯で書いておられたのです。早速私の机に置いて使わせてもらっていますが、墨池のない丸い硯は小筆書きには非常に使い易く愛用しています。
朱池も下さいましたが、これは高価なものなのでしょう、朱印の色がなんとも云えない上品な朱色をしています。
これから年賀状の構想に入ります。この硯と朱印を使って見たいと思っています。
写真の左が硯、右が朱池
前住の落款印や私の実印なども印刻してくださったのでしたが・・・、
正さんの書斎には千冊を越える印刻、書道、漢字に関する書籍が残されていました。奥さんが申されますのに「主人は60を越えたらこれらでもう少し字の勉強がしたいと云っていました」と、それらを全て寺に移管されたのでした。私はそれらの中で寺の書庫に必要と思われる書籍類を残して全て大三島の図書館へ納めさせてもらいました。
11月に杉野さん宅の報恩講にお参りをしましたら「この硯は主人がいつも使っていたものですが、ご院家さん使っていただけますか」と形見として下さいました。正さんが印刻の下字をこの硯で書いておられたのです。早速私の机に置いて使わせてもらっていますが、墨池のない丸い硯は小筆書きには非常に使い易く愛用しています。
朱池も下さいましたが、これは高価なものなのでしょう、朱印の色がなんとも云えない上品な朱色をしています。
これから年賀状の構想に入ります。この硯と朱印を使って見たいと思っています。
写真の左が硯、右が朱池