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寒い寒いで1月も終わり、北国地方は厳しい吹雪のまゝ2月に入りました。豪雪のお見舞いを申し上げます。
今月の法語は奇しくも「氷」を譬えとした法語、これは聖人撰述の『高僧和讃』の曇鸞大師のお味わいを讃えられた中の1首から選ばれています。
こおりおおきに みずおおし
さわりおおきに 徳おおし
氷が大きければ大きいほど、その融けた水は多くていのちを養い育てて行くように、人生をスムースに行かせない罪咎(つみとが)の重さに泣く私どもに如来さまは慈育の光明に照らし包み取りたまいて、その罪咎が熟成されて安堵と喜びの徳となって行くのです。
この和讃の全句と前後の2首を併せて挙げておきます。お味わい下さい。ズシンとした重いお心の内容となっています。ここまで明快に精神界の救いを端的に述べられている宗教書を他に見ることはできないでしょう。
無碍光の利益にて (むげこう・りやく)
威徳広大の信をえて (いとくこうだい)
かならず煩悩のこおりとけ (ぼんのう)
すなわち菩提のみずとなる (ぼだい)
罪障功徳の体となる (ざいしょうくどく)
こおりとみずのごとくにて
こおりおおきにみずおおし
さわりおおきに徳おおし
名号不思議の海水は (みょうごうふしぎ・かいすい)
逆謗の屍骸もとどまらず (ぎゃくぼう・しがい)(五逆罪と正法を誹謗罪を犯す者)
衆悪の万川帰しぬれば (しゅあく・ばんせんき)
功徳のうしおに一味なり (くどく・いちみ)