memory of caprice

浮世離れしたTOKYO女子の浮世の覚書。
気まぐれ更新。

理想のコンサートホール

2014-02-03 05:11:51 | MUSIC
朝日の夕刊で、数回にわたって紹介されていた音響設計士 永田穂(みのる)さん。88歳。
わたくしの愛する東京文化会館もサントリーホールも、この方が音響設計を手掛けていらした・・・と知って、
日本のクラシック愛好家にとって脚を向けて寝られない恩人ではないかと非常にありがたく、興味を持って読んでいたのですが、
その永田さんが、会心の作としてあげられたコンサートホールは・・・

軽井沢ヴィラ・セシリア音楽堂

石造りの小さなホールで、軽井沢駅から歩いて10分ほどの別荘地にあるのだそう。

和田純子さんというウィーン帰りのオルガ二ストが私財を投じて建てられたもので2007年OPEN.
オルガンのある教会に行って初めて演奏できる、という欧州のオルガ二ストは渡り鳥。
和田さんもそうした暮らしの中で、いつか自分だけの楽器をと夢をふくらませていたのだと思います。
パイプオルガンの場合、楽器は建物の一部ですから、当然ホールも作らなくてはいけなくなるのです。

せっかくですから考えうる限り最高の音響をと思いました。
そうなると、天井をなるべく高くしたほうがいいんです。軽井沢では高さ10メートル以上の建物はつくれないので、深さ2メートルの穴を掘りました。イタリアのちいさな街の教会を思い浮かべ、心楽しく設計させていただきました。窓から差し込む陽光を浴び、オルガンの音色に包まれる。たった50席。ぜいたくな空間です。私自身の夢もかなったような気持ちでした。

とのこと。

正解のない音響の世界。
良い音はそれを感じる人の数だけあります。自分の感性が求める響きを見つけ、それを信じ、人生に寄り添うお気に入りのホールをひとつ持っていただけたら、音響屋としてそれほどうれしいことはありません。

謙虚なひとことに頭が下がる思いです。
行ってみたいと思います。ヴィラ・セシリア音楽堂のコンサートに・・・。


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