オモリに関して,更に工夫されているのが「鯉釣り日誌2」にオープンスイベルを使ったものが以前紹介されていて,参考になるかと思われます.またイギリスのcarpfishingに関する動画等では,かなりの情報が得られるようなので,最近は私も参考にしています.
さて,年の瀬も押し迫って,今年もあと少しとなってきましたが,鯉釣り諸兄の今年の釣果はいかがでしたか.例年以上の異常気象に見舞われた感がある今年でしたが,鯉だけでなく,釣り人もその影響を受けてしまいますが,12月の締めくくりをと,天気予報と睨めっこしながら,密かに最後の釣行を大型で締めくくりたいと考えながら,余呉湖に行ってきました.
天候のいい日を狙って,誰も竿を出さない足場の悪い,更にキャスティングもしずらいポイントに入ってのが,先々週です.昨年もこの時期にメーターオーバーを上げたポイントで,今年も何とか大型をと期待して.
しかし,11月には10m程の強風にカーサイドタープのポールが折れ,更に折れたポールがテントを突き破って,散々の目に遭い,修理のために,ポールを4本交換して,破れたテントをテープで補修して,何とか今後のためにも自分で修理できたことが,一つの収穫かと.その意味でも捲土重来を期しての釣行でした.
写真からも窺えるように,キャスティングだけでなく,取り込みも高低差が3mほどあり,斜面で滑るので,スパイク付きの長靴を履き,水の中に入ってのネットインが要求されます.具体的にはキャスティングはサイドスローやバックハンドからのスナップスローになります.距離は50mほどになりますが,経験値を増やすことで,それも可能になります.40年以上も鯉釣りをやっている中で,マスターしてきたものですが,このような釣り座では必須の技術とも言えます.
1日目は午後からの入釣でもあり,準備だけで終わった感じで,翌日が本当の勝負となります.朝に当りを期待したにもかかわらず,静かに時間が過ぎていき,釣友のTさんもそろそろ来る時間ですが,前回もその時間帯に当りがあったので,今回もその時間帯に期待していたら,10時半過ぎに待望の当りです.
前回と異なり,かなりの重量感で足場も悪いので,慎重なやり取りが要求されます.特に,横に走られないような竿さばきが必要で,左右には倒木が水面に枝を出して,それに巻かれたら取り込みは不可能.自分の経験値からまっすぐ足元に寄せるのは,結局は竿さばきしかなく,竿で貯めて,竿を立てて,その間リールの巻き方と同期させての竿さばきとでもいうべきものですが,その繰り返しでなんとか,正面からネットイン.
足場が悪く,ネットインしてから持ち上げて来るのに一苦労で,15㎏は超えている魚体なので,重くて足取りもふらふらしながら,湖面から3mほどの釣り座に運んできたところに,Tさんが到着.笑いながら,また来た時の当りかと,これは二人の挨拶でした.カメラマンをお願いして,
その後,同型の大型を2本追加して納竿になりましたが,3本目の鯉は強風吹きすさぶ中,流れてくる木の枝がラインを引っ張り,バイトアラームが反応して,落ち着いて釣りもできないので,納竿しようとしたときに,バイトアラームが連続音に変化しての当り.強風と打ち寄せる波で,長靴の中にも水しぶきが入り,しかも小雨も降りだしての最悪のコンディションでした.そんな中の一本はまた格別で,印象的な1本でした.
私は,この後,納竿して帰りましたが,この後にTさんは7本ほどアタリをとり,90台の連発でした.余呉湖の初冬の爆釣は今年も実現されたということですね.
さらに,次の週に,これが今年最後になりそうな温かい天候になり,満を持して,一発狙いの釣行でした.今回は,普段使っていないビビーテントやビビーベッドを持ってきて,使ってみることや,修理したカーサイドタープを使って,その中で,石油ストーブで暖をとることをやりながら,冬の釣りや「行く鯉来る鯉」の試行を兼ねての釣行でもあります.
午後に到着して,テントの設営等でゆっくり準備をしながら,何とか日暮れまでに完了して,日が暮れてからは,カーサイドタープの中で,石油ストーブを着けて,のんびり冬の夜の静けさの中で,おでんを食べたりしながら,釣りを忘れる時間を過ごすことになりました.
今回は釣友のTさんとOさんも翌日に来る予定で,Oさんには使っていないアンフッキングマットを差し上げることになっていました.そのOさんが到着したのが翌日の早朝の6時過ぎでしたが,ちょうどそのころには,ベテランのNさんもこの天気を狙っての余呉湖イン.そのNさんの車が早朝の薄明りの中を走ってくるときでしたが,私のバイトアラームに当りを知らせるアラーム.
早朝の久しぶりの当りです.竿を持つと強烈な引きに,思わずドラッグを緩めながら,やり取り開始するも,暫くはリールが逆転しながら道糸が出るのを見つめている状態です.そして,少し止まった時点で少しドラッグを締めてリールを巻き始めますが,すぐにまた走り出し,またドラッグを緩め,竿を立てて,リールから糸が出ていくのを見つめる,それを数回繰り返し,やっとポンピングができるようになります.しかし,また何回か糸を出され,10分くらい時間が経ったときに,先程のNさんの車が戻って来て,後ろで,速度を緩めたので,気が付いてアシストしてくれるのかと思いきや,軽くクラクションを2回鳴らして,走り去っていきました.私がやり取りしていることに気が付かなかったのですね.この時点でこの鯉とのやり取りがちょうど中間地点で,これからまた10分以上やり取りです.絶対にばらしたくはないので,無理はせずに,かといって向こうのペースにはさせたくないので,竿さばきとリールの巻き方を同期させて,着実に正面から寄せるようにします.30mほどの距離になってやっと姿を現し,それを見て,またバラすわけにはいかない大型であることを確認します.余呉湖の現在は冬の水位で,増水した状態なので,足場の悪いゴロタ石も少なく,ネットイン.しかし,重さが20㎏近くありそうで,ネットに包んで持ち上げるのも足場に気を付けての作業になります.朝の明るさも増して,気が付けば7時を回る時刻です.今年の余呉湖での自己記録に並ぶ106㎝の良型です.
今年を締めくくるには十分な大きさに満足.
時間はまだあるので,打ち返して,他の竿は打ち返さずに,フィーディングにとどめます.そして,離して打ってあった,捨て竿のフィーディングをと,そこに行くと,何とリールのスプールの糸が全部出されています.最後の糸の端は結んであるのですが,糸の弾力で竿を持っていかれる心配はないものの,バイトアラーム(デルキム)の受信機が反応しなく,受信距離は100mほどの距離ですが,感知できなくて,がっくりです.大型を上げた喜びもかき消される感じで,デルキムをただ見つめるだけです.私は,一か所から3本竿を出すことはせずに,2か所に竿数を減らして竿を出すので,ある程度の距離でも受信できるバイトアラームがマストです.デルキムとATTXのバイトアラームを比較して,その受信可能距離が圧倒的にデルキムが劣り,今回も残念な結果になり,信頼度が私の中ではかなりの差になります.結局,糸は300mほど出され,かかりに巻かれ,ラインブレイクになりました.最後に後味の悪い結果になり,不完全燃焼の気分ですが,とりあえずは,今年を締めくくる釣行で,今年の最大寸を上げることができ,一つの区切りになりました.
この鯉で,今年は55本です.メーターオーバーは8本,90㎝以上が22本で,平均サイズは88.8㎝で,例年以上の結果になりそうです.最後に「行く鯉来る鯉」をどこで勝負するか,天候を意識しながらの年末年始になりそうです.