7月4日(土) 稚内~礼文~利尻
5時半には起床。
6時20分発の礼文島行きフェリーに乗るために、旅館前でバッグをバイクに装着していると、コーヒーでも飲んでいきなさい女主人に勧められる。時間がないというと、わざわざ缶コーヒーを二本、バイクのところまで持ってきてくれる。どうも、ありがとうございます。
フェリーは朝も早いというのに、座るところもないくらいの満席状態。
礼文には8時着。なにやら港では踊りを踊って出迎えている。嬉しくなってくるが、あとで聞いたところによると、どうやら礼文のユースホステル・桃岩荘の歓迎の踊りだそうで、宿泊客が踊っているらしい。踊りの講習まであるという。恥ずかしがる人もいるが、これが病みつきになって毎年訪れている人も多いという。
ハラがへって、とにかく腹ごしらえということで、船泊の食堂に行くが、まだ、やってない。仕方ないので、雑貨屋で、納豆にパン、ツキアゲなどを買って、近くの堤防でもぐもぐと朝食。
そのあとスコトン岬にいく。カラリと晴れて、景色よし。ついでに途中にある見晴台にバイクを停めて、20分ほどクマ笹(チシマザサ?)の生い茂る高台まで細い道を上ってみる。ここもなかなか景色がいい。スコトン岬は観光バスが何台もついたばかりで、どわどわっと人の波。それを見て、申しわけないが駐車場でUターン。澄海岬などに立ち寄っていると、ハラがへってきたので食事をする。
午後11時。船泊の「双葉食堂」で、うまいと聞いていた中華丼を注文。イカ、エビ、海草など、新鮮な海のものが豊富に入っている。これはお勧め。久須湖畔のキャンプ場には数基のテント。
礼文林道はタンデムで走る。5キロくらいのものだろうか。途中、利尻富士が見え隠れするところがあり、やがて眼前に礼文の絶景が拡がってくる。結構、バイクも集まっている。ドカで林道を下っていくライダーと擦れ違ったりする。
このあと元地方面にいき、防波堤1時間ほど仮眠。
2時半のフェリーで利尻に渡るが、ぎりぎり5分前についたものだから、乗客用のタラップは下ろしてあり、カミさんは車乗り場のゲートより乗船する。
利尻には3時過ぎに到着。さっそく今夜の宿の手配をと、鴛泊のフェリー乗り場にあった観光案内所にいき、民宿を紹介してもらおうとしたが、すべて満室とのこと。それではホテルでもいいやと交渉すると、それも全部埋まっているという。げ。考えてみると、今日は土曜日。しかも利尻礼文は花の咲く季節で一番の混雑期だ。
「空いているところも、ありますが……」
と案内の女性。
「え。そうですか」
「〇〇ホテルの特別室です」
特別室? ま、それほどの値段でもなかったら、仕方ないか。
「いくらですか?」
「1泊、1人8万円です」
いやいやいや。ありえん。
さて、どうしようか。野宿しようにも、道具などなにももってきていない。それに1人ならまだしも、2人だと、ちときつい。
「あの、素泊まりでしたら、利尻町でやっているロッジが空いているかもしれませんが……」
もう、泊まれるならどこでもいい。
「それ、ぜひお願いします」
お待ち下さいと言って、女性は隣町の役場に電話をしてくれる。幸いなことに、一棟だけ空きがあるという。値段も格段に安い(1000円しない)。役場でカギを渡してくれるというので、利尻町役場のある沓形に向かう。
沓形につくと、ダメもとでメインストリート沿いにある民宿にいってみる。カミさんが交渉にいったが、なかなか姿を現さない。バイクをしっかり停めて、自分も行ってみる。
「満室なんだけど、おばあちゃんが使っている部屋でよければどうぞ」
ということらしい。
もちろん、即、オーケー。1泊、1人7000円。助かったあ。
ロッジもそれはそれで面白いのだけど、なんにも用意してないので、ランタンからビール、食料、風呂、コンロ、夜は冷えそうだから、寝具、その心配もしなければならなかった。部屋の準備をするのに時間が少しかかるというので、役場にいき、ロッジの件で役場に断りをいれて、利尻富士中腹にある見返し台公園にいってみる。パトカーが1台いたが、山中で見かけると奇妙な気分だ。
時間がありそうなので、また鴛泊に引き返し、温泉にはいる。
民宿「なごり荘」
1階の一番奥の部屋を急いで片づけたらしく、布団などは部屋の隅に積み上げてある。カレンダーなどはそのままなので、生活のにおいがぷんぷんしているが、全然気にならない。夕食がすばらしい。ホッケがこんなにうまいとは。朝、獲れ立てを煮付けにしたらしい。身がぷりぷり。サシミも切り身の断面が虹色に光っている。他にも海のもの(タコ、ナマコ、海草)が何種類も……。「今日、ウニがあるよ」というので、飛びつくようにそれももらう。1皿1500円。鮮やかなオレンジ色をしている。うまーい。甘ーい。旨味が口の中で溶けるように拡がる。昨日、殻付で食べた稚内の居酒屋のものとは、モノが違う。カミさんも幸せそうだ。
ビールを飲みながら、うだうだしていると、家族の人たちも夕食をはじめて、次々に差し入れをされる。まだ、最初に並べてもらったものが、半分以上も残っているというのに。ここにいればいるほど、家族の人たちのぶんも勧められそうなので、早々に退散して、部屋でゆっくりワイン(さっき商店街で買ってきたやつ)を飲んで就寝。
礼文・スコトン岬近く。
カミさんも、カッパ着ている。
これも礼文。
礼文・船泊港
バックの山は利尻山
礼文の林道
遠くに利尻島
礼文島より利尻島
この日は、思いっきり写真をバシャバシャ撮っている。
うーん。ツーショット!
ここも、うしろのほうはスコトン岬だったか。