バイク・キャンプ・ツーリング

NERIMA爺、遅咲きバイクで人生救われる

1998年7月17日 北海道ツーリング 20日目

2025年02月11日 | 1998年 北海道ツーリング
7月17日(金)中標津・開陽台キャンプ場連泊(神の子池~養老牛温泉など)



 8時半過ぎ起床。濃霧。
 ヤキソバにノリをかけて朝食。メンを茹でる容器が小さいせいか、水分がちゃんと飛ばないのでぐちゃぐちゃのヤキソバになる。それでも無理に口に運ぶ。朝食後、ドロだらけになったバイクの洗浄。チェーンはドロの厚い皮膜がかぶさったようになっている。キャンプサイト入り口近くにテントを張っているおじいさんが話しかけてくる。毎年ここにきているということで、そういえば女の子にあれこれ話しかけていたのを見かけたなあ。大阪の枚方から125CCのバイクでやってきているようだ。知ったかぶりでぺらぺらしゃべりかけてくる。
「ほう、3万キロ走っているんですか。まだまだ丁寧に乗ると、あと4万キロ、いや、もっと整備すると5万キロはいくね」
 当たり前です、もっと乗りますよ、と心の中で返事する。
 エンジンのバブル形式とか、エンジン形式の話をしていると、いかにも専門的な物言いをするが、なにかピントがずれている。あきらかに本を読んで仕入れたという知識に思えてくる。

 午後1時くらいには摩周湖の湧き水がでているという「神の子池」に出発。
 空はどんよりしていたが、斜里側に清里峠を越えたとたんに青空。神の子池で地元のライダーと話をすると、ずっと、こんな天気らしい。峠ひとつこえただけで、まるで様相がちがう。夜、走るときはシカに気をつけたほうがいいなどと教えられる。集団で道の真ん中にたむろしているそうだ。「神の子池」そのものは大したことない。

 帰りに養老牛温泉の「からまつの湯」にいく。無料混浴露天風呂。いい湯だなあ。横に冷たい小川が流れているので、温泉で暖まってはドボンと浸かり、身体をギンギンに冷やして、湯にドボンと浸かる。ギンギンの快感を数回ほど味わう。ここには地元の男が目を光らしていて、くる客、くる客に「前を洗ってからだよ。前を洗って。常識だよ。こういうところの……」などと、だれかれかまわず厳しい忠告。自分はどんなときも前だけは洗ってから浸かることにしているが、それでもじっと目で追ってきて、わざとらしく「よしよし」などと頷いていた。あなたはどこの人ですか。「そこ、湯が熱いよ」などと本当に熱湯がでてくるところも教えてくれるので、ありがたいといえばありがたいのだが……。他の人にも、すべてそんな具合。女性客がくると、この温泉の由来などを講釈。ちょいと疲れる。

 温泉の帰り、「牧舎」という牧場に併設している小さなレストランで、ミルク、アイスクリームを頼むが、らくがき帳を読んでいると、ここは「カレーライス」がうまいらしい。さっそく「カッテージ・カレー」を注文。カッテージ・チーズをフライにしたものがついている。カッテージ・チーズ。どんなチーズだろう。食べたことはないが味はいけるかな。ようするに、自分にはチーズの味などわからんということだ。カレーにミルク、アイスクリーム、もうお腹一杯。今夜はなにも食わなくていいほどだ。

 夕方、テントに戻り、お茶など沸かして一旦冷やしてからペットボトルに詰める。霧雨。この天気のせいか、テントは6、7基に減っている。薄暗くなってきて、なにやらギターの音が聞こえる。ラジオなどからではなく、生の音だ。だれなんだろうと思って、トイレにいくついでに音源を探ると、柵にもたれてライダーが数人が話をしている。
 サイト入り口近くで、ムーンライトのテントの奥に座りこんで、あのおじいさんが胡座でガットギターをボロロン、ボロロンと弾いている。うひゃあ。なんだ、なんだ、このおじいさんは。あんな小さなバイクにわざわざギターを積んできたのか。それにしても、人に聴かせるような腕ではないだろう。だれにも相手にされず寂しいのか。なんだか、どっと疲れる。
 結局、この夜は12時過ぎまで眠れず。


神の子池。
宮崎のど田舎生まれには、このような池は、なんとなく既視感。




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