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 増田 いずみ ~ OFFICIAL BLOG

フィガロの結婚

2008年07月10日 | masudaizumi.com
フィガロの結婚

モーツアルトのオペラで、私が一番好きな作品です。

オペラデビューしてから、ケルビーノ役としてもっとも出演回数の多いのもこの作品でした。フィガロの結婚の魅力は、音楽の美しさもありますが、ストーリーの面白さ。

歌手がたったままで歌う、つまり音楽の抑揚で心情を伝えるスタイルのグランドオペラではなく、出演される歌手の演技力も非常に重要で、動きによって面白さが倍増されるところなのです。

皆憎めないコケティッシュな存在であることはもちろんですが、その関係を紐解くと、ドラマのような「裏の要素」がたくさんあって、バックグラウンドを掘り下げて魅せる演出がされると、特に面白いものです。

映画なら可能な部分では、1幕のあとケルビーノはフィガロに外にだされて、2幕で伯爵夫人の部屋にくるまで、何をしていたのか?とか。出演時間の一番短いバルバリーナという役も、「鍵がないわ、こまったわ」とアリアを一曲歌うだけですが、実は非常に深い意味をもって設定されています。

最後に伯爵夫人が伯爵の浮気を「許す」場面がクライマックス、つまり、水戸黄門の印籠をみせるところにあたりますが、この膝をつく行為もヨーロッパでは非常に意味のあるジェスチャーだとか、、、。


こんな謎解きの部分を演出家が様々に脚色して掘り下げてくれるのが楽しいオペラです。

新聞を読んでいたら、びわ湖ホールでのフィガロの結婚の上演で岩田達宗さんの演出というので目が留まりました。藤沢、湘南台でオペラに出演させていただいたときご一緒させていただいた大好きな演出家のお一人です。

今回の新演出は新聞記事によると、登場人物全員が幼くして親をなくしたという背景を設定。家族の物語として色をつけるそうなのです。

ああ、、、、いきたい。いく!いきます!

演じられる方のなかに、フィガロ役で柴山昌宣さんがいました。
懐かしい、、、。大学の先輩で、甘い甘い美声でしたが、いまでは、もっともっと艶がでていることでしょう。

ということで、大阪にきて初めてオペラに出かけることにしました。

自分が最後に舞台を踏んだのが2001年のミュージカル「キャンディード」
あれからずいぶんたってしまいました。

その後、何度か、素晴らしい作品へのオファーを頂いたこともあったのですが、子供がいて、東京での舞台稽古に長期間参加することが難しくなってしまったことで、やむなくお断りしてしまったり。

そういうときって、仕方ない、とは思いつつ、すごいチャンスを逃してしまったようで、へこんでいました。

いま、やっと、大阪という土地に慣れてオペラを観にいこう、と余裕が出てきたのかもしれません。
JRに乗ったのは昨年の芦屋にいったときが初めて、それ一回のみだし。
どこにいくにも迷ってしまうので、出かけるのは大変です。
今頃になって、はじめて関西の路線図をみてます。

びわ湖ホール、、素晴らしいホールで、海外からの公演も多く、いきたいホールではあったものの、つい遠くて足を運んでいませんでしたが、頑張って来週いってみようと思います。