きのうさいたま芸術劇場へ、小曽根真さんのピアノ・ソロを聴きに行って来ました。
感動でした。思わず涙が出ました。2階席だったのでステージからは少し遠かったですが、鍵盤の上から下まで自由に走り回る小曽根さんの動きが全て見えて、2階席もいいな、と思いました。音楽ホールはそれほど大きくなく、グランドピアノを生音で聴かせるのにちょうどいい広さとでもいいましょうか。最近リニューアルをされて、その第1弾だったそうです。優しい音で弾かれた1音が、2階の私のところにもきちんと聴こえることが驚きでした。
思いっきりジャズというわけではなくて、むしろクラシック的なアプローチも含みつつ、それがタイトルにもなっている「小曽根真の現在(いま)」。激しくダイナミックな曲ももちろんすごかったけれど、私がいたく感動したのはやはり静かで落ち着いた曲の素晴らしさでした。ソフトで温かくて優しい音色。2部の3曲目に弾かれた曲があまりにも素敵で涙がじわり。それが後で即興だったと知り感動・・・。即興はお客さんから戻って来るエネルギーによって変わって行くものだそうで、きのうは良いエネルギーが返って来るのでと、3曲ほど披露して下さいました。MCもやわらかい関西弁でとても楽しく、もっとたくさんお話も聴きたいなあ、と思いました。
アンコールだったと思いますが自作曲の「モーツァルトの昼寝」という曲がまた優しいステキな曲で、ここでまた涙。そしてダブルアンコールで思いっきり速いジャズを。あまりの見事な締めくくりと、ゴージャスな音の波動がばーんと飛んで来て、またまた涙。素晴らしい、本当に・・・
小曽根さんのピアノが心に浸透していくのを感じました。音楽の力を感じた瞬間でした。
終演後サイン会があり、復興支援のアルバム「Live&Let Live -Love For Japan-」にサインをお願いするとともに、ライブで大切なことを伺ってみたところ、後ろに長い行列ができているにも関わらず、とても丁寧に答えて下さいました。
「自分が楽しむこと。自分の音をよく聴いて。自分がお客さんの側になる事。演奏に没頭しすぎるとお客さんを置いていってしまう、でもお客さんの気持ちになりすぎると、今度は媚びてしまう。そのバランスが難しいけれど、とにかく楽しむこと」
このような内容の事を、じっと目を見て真剣に話して下さいました。世界の小曽根が私のために時間を使って下さったことに、後ろに並んでいる方々にはごめんなさいでしたが、本当に感激しました。たくさんお話して下さるそのお人柄も、多くのファンやミュージシャンを惹きつけてやまない魅力なんですね。
ええ人や~~
チック・コリア夫妻、ゲイリー・バートン、ジェイク・シマブクロなど、そうそうたるメンバーが参加しているこのアルバム、売上金は全額寄付されるそうです。とても聴きやすいジャズ・アルバムなので、ご興味ある方はぜひ聴いてみて下さい。
また一つ心の財産が増えました。このコンサートを教えてくれた息子に感謝