Tさんに初めてお会いしたのが、今から19年前の9月。
私が、パソコン教室(当時「パソナコンじゅく松原教室」)のオープンにあたり、
初めてのチラシを新聞に折り込んで数日後のことでした。
笑顔いっぱい、元気いっぱいの60代の女性。それが第一印象でした。
こどもたちに良質の演劇を見せたいという思いで、「世田谷子ども劇場」のお世話役をされていたり、
町内会のお役を買って出て、みなさんに慕われる、「肝っ玉母さん」を絵に描いたような素敵な方でした。
文字通り教室の第一期生として、以来19年にわたり、陰になり日向になり、教室を盛り上げ支えてくださいました。
そのTさんが1月24日に急逝されました。
あまりの突然のことに、お通夜に参列したあとの今でも、まだ信じられない思いでいます。
「また遅れちゃったわ~」って、ひょっこり教室に入っていらっしゃいそうで・・・
Tさんには、人生の大先輩として、たくさんのことを教えていただきました。
決して人を条件で判断しない、すべての方を温かい気持ちで受け入れる姿勢、
どんな時も前向きで、何事にも精一杯、でも決して奢らず、ユーモアたっぷりの人との接し方。
「まつばら教室に絶対会いそうな方だと思うのよ」と、
20人を超えるお友達、ご親戚、お知り合いを教室に紹介してくださり、
私たちスタッフは「Tファミリーがまた増えたよ!」と嬉しくありがたく思ったものでした。
いつも授業の後、最後まで教室に残ってお話をされていくのに、
1月の最後の授業のときは、なぜだかすぐにお帰りになり、
「Tさん、さようなら~」って声をかけたときに、
「またね~」って顔は見せずに、ドアの外から右手だけ振って教室を後にされた。
その「ひらひらした手」の感じが、今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。
ツヤツヤしたお顔をもう見れない、生き生きとしたお声をもう聞けないことは
本当にさびしいですが、79年の人生を全力で駆け抜けたTさんのご遺志の
ひとかけらでも、教室の活動を通して、受け継いでいくことが、
彼女へのご恩返しなのだと思っております。
ご主人様のもとへ行かれ、相変わらず忙しくされているんじゃないかしら?と思えてしまいます。
Tさん、心よりご冥福をお祈りいたします。
19年間、ありがとうございました。