わたし猫語がわかるのよ
編者:日本ペンクラブ 光文社 ¥495(税別)
犬派、猫派、もし、そのような、区別をするとしたら、
後者は猫のどのようなところに惹かれるのだろう!?
首輪なしで、家を出たり入ったり。おとなしく可愛がられて
いるかと思えば、キャッとなったり・・・。
自由気ままで神秘的とも云える猫。そのつかずはなれずの
存在に、人は癒されるのではないか!?。
日本ペンクラブの会員が猫たちとの愛情に溢れる関係を綴った
傑作エッセイ集!
私は猫である。
前々からそうじゃねえかなと疑ってはいたが、近ごろでは確信するようになった。
小説を書いたり、馬券を買ったり、人間みたいなこともするにはするが、思想・
性格・容貌・行動などを客観的にはんていすると、やはり猫である。
(中略)
父母が死んでも泣けなかったのは、私が人間の言葉をよく知らないからであろう。
そのかわり、百匹の猫の「さよなら」には、百回泣かされた。
やはりどう考えても、私は猫である。
「百匹の猫」 浅田 次郎 より
Ⅰ
百匹の猫 浅田 次郎
歌舞伎町から来た天使 野村 正樹
猫が鼠を-「ふじ」の想い出- 中原 道夫
猫バカ日誌 難波 利三
シルエット 久保田匡子
サンちゃんの手紙 田井友季子
チャアおばさん 太田 治子
コービーからの手紙 田才 益夫
風が吹けば桶屋が儲かる 高田 宏
Ⅱ
猫想い 下重 暁子
八重桜 岩淵喜代子
野良猫異聞 筧 慎二
吹き溜まりのプーコ 西木 正明
チロはどこへ 河野 實
ノラや 畠山 拓
艦長モモの死亡 志茂田景樹
しなやかにわがままに 谷本多美子
白ネクタイのノワ 米原 万里
Ⅲ
猫の似顔絵 出久根達郎
猫の貞節 畑 祐子
猫の成る木 川田 靖子
ペケのこと 眉村 卓
タマとリリー つかだみちこ
猫おばさんの話 いわたとしこ
ビンラディンと暮らす 吉岡 忍
ネコたちへのレクイエム 水樹 涼子
タマ--母親の威厳 立松 和平
あとがき 森 ミドリ
あとがき 森 ミドリ
(前略)
以前、頼まれて、「花をいとおしみ、花に教えられ」と、いう言葉を色紙に書いたことがあるが、
猫の場合も同じような気がする。いえ、それ以上に、本来の人間らしさを取り戻させてくれるのかもしれない。
(中略)
この本に出てくる今も元気なはずの、グレ、キャラ、トモコ、ジャガー、あ・これは犬だった。
・・・・・・サンちゃん、プーコ、おかめ、クー、ちび、たま、ハルミ、チョコ、チャ、チョビ、ムー、
ノワ、ちび太、メイ、チャロミ、ちーこ、ビ・・・ビンラディン・・・・・・みんなに会いたくなってきたニャー。
あとがきにならない、あとがきに、あがいてしまった私を、どうか愛すべき
猫たちに免じてお許し下さいニャー。
「わたし猫語がわかるのよ」
編者:日本ペンクラブ 光文社 ¥495(税別)