くるりぴょん、くるりこぴょん

忘れっぽいわたしのための記録。何年か先に、振り返ることのできる思い出を貯めるために。

まだお迎えは来なかった(^^;)

2020-10-12 09:21:00 | お母さん
日曜日の朝。昨夜は電話がなかったなと思いながら、プールへ行く支度をしていたら、施設から電話があった。

昨日よりも特別に血圧が高くなったわけではないが、看護士の指示で受診するとのこと。日曜日だけれどもこれから受診先を探すので待機していてほしいとのことだった。

日曜日だし、施設の場所を考えると去年圧迫骨折で入院した市民医療センターだろうなと思っていたらやっぱりそうだった。病院で待ち合わせをすることになった。

マイケルは車でプールへ行ってしまったし、わたしが電車やバス、タクシーを使って行くよりも、病院近くに住んでいる弟Yが行ってくれた方が早いので先に行ってもらった。子供と約束があったらしいけれど、キャンセルしてもらって。ごめん&ありがとう。

出掛けようとミルキーに声を掛けたら、ばあばに会いたいから一緒に行きたいということで、二人で出掛ける。

病院に着くとお母さんは点滴(生理食塩水)をぶら下げていて、施設介護士のS水さんと弟Yと談笑していた。具合悪そうに見えない。

ミルキーを見つけると嬉しそうに握手をしている。

ミルキーが弟Yとコンビニへ行ってしまい、介護士S水さんも施設へ連絡しに行ってしまい、わたしとお母さんだけになったら診察で呼ばれてしまった。

先生が二人、出迎えてくれた。

先生「石川と石川です」と自己紹介。

お母さん「ダブル石川さん?」

先生「そうです、ダブル石川です」

看護士さんがさっさと車椅子を押して中へ連れていってしまって、診察室前に1人取り残されたわたしは中の様子に聞き耳を立てていると。

先生「お母さん、ここどこだかわかります?」

お母さん「わかりませーん!」 

先生「今日は何月何日かわかります?」

お母さん「わかりませーん!」

先生「施設の名前わかります?」

お母さん「知りませーん!」

先生の声も大きいし、お母さんの声も大きい。

「60年前にオールジャパン、バスケでインターハイに出たんだ云々」といつもの自慢話が始まった。おそらくは先生がお母さんの握力を確かめて、思いの外強かったのでそのことに触れてしまったのだと思う。

握力もさることながら、お母さんは実は俊敏だ。ぼんやり鼻歌混じりに強いパスやアタックを出してくることがある。風船ゲームでだけど。

お母さんは9月に誕生日が来て83歳になったけれど、5年前にお父さんが死んでから年を取らなくなった。永遠の78歳だ。本当は65年前の話を延々と話す。

血液検査、尿検査、心電図とも異状なし。頭部MRI画像診断でも異状は見当たらず、もしかしたら橈骨神経麻痺(ハーレム症候群)ではないかとも言われて整形外科の先生がやってきたけれど両手だからちょっと違うかということで、!結局よくわからないで終わった。

1週間しても症状が治まらなかったら、近所の整形外科へかかってくださいとお手紙と画像を渡された。

なんだかんだで2時間。コロナでなかなか会えない中、こんな形でもお母さんの元気な姿を見られるのは嬉しい。

特別養護老人ホーム介護士のS水さんはとても心配してくれていたし、お母さんにかける言葉の端々に優しさを感じた。わたしなんて、意地が悪いから家族の前でだけだろうなんて思ったりもしたが、施設での様子、お母さんならやるだろうなというエピソードを聞くと、日々よく見てくれていることがわかって、つくづく他人の親なのにありがたいことだと思った。

わたしたち姉弟がほぼこれまで通り暮らせるのは彼女たちのお陰。仕事だからやってくれて当たり前だなんて決して思ってはいけないんだと思う。

びっくりしたことは、月曜日にアメリカのおばちゃん=母の姉と実家で電話で話したことや、近所の仲良しが来てくれておしゃべりしたことを覚えていたことだ。誰が来たかまで覚えている。病院に来たことや子供や孫が駆けつけたことなんてすぐに忘れてしまうのに、およそ1週間前の出来事を覚えているなんて本当に驚き。

バハハーイ!と言って手を振るお母さんを見送って、わたしたちも解散。

お昼を食べ損ねたので変な時間にミルキーと寅福でランチ。栗ご飯は初物だ。