副題、アメリカを揺るがす「文化的反動」。
20年刊、中公新書。67年生まれ、ハーバードで博士号取得、
社会人類学博士。オックスフォード、ケンブリッジ、仏の大学など
ヨーロッパでも研鑽。05年から慶応SFC教授。専門はアメリカ研究。
米の選挙時、NHKで解説をし、初めて姿を見たか・・
「アフターアメリカ」という著書を前に読み。
気になっていた学者。
本書は単著で10冊目。難しかったが、ゆっくりと読んだ。
知らない米があった。白人ナショナリズム、とはいったい何なのだ?
そこからはじまる。白人史上主義と自国第一主義が結びついた思想。
多数の団体などが広がっている。
簡単に言えばトランプ政権もその一部。
4年前の本。渡辺は大学院時代、白人ナショナリズムの調査、
フィールドワークをした。怖いと感じることもあったとある。
多数の団体、NPOなどが書かれていて、これほど多々あるのかと
驚く。人種がほぼ同じ日本では考えられない。
広い知識を得られた。詳細な索引つき。渡辺もこれまでで一番
難しい執筆だった、書いていた楽しくはないが、
それでも書かないとと思ったとあとがきに書かれている。
避けて通れない問題だと。トランプ政権、今後のアメリカを思うと。
17年に起きユナイトザライトの集会で起きた
シャーロッツビルの衝突事件は衝撃だった。
黒人が警官に射殺もあった。BLM事件。
「多様性」は白人大虐殺の隠語だ。
映画に登場するKKK。1865年テネシー州で結成。
集団は~期にわかれている。1920年代半ばは人口の10%の
市民が参加。黒人排斥のイメージがあるが、実際はまずカトリック、
ユダヤ、最後に黒人だった。
原爆投下を命じたトルーマン大統領も
一時KKKだった。
反移民、イスラム、ユダヤ、フェミニズム、同性愛は
白人ナショナリストに根深くある。
25年前に調査をしたのはアイルランド系の地域。
若者の自殺率、薬、アル中が多かった。アイルランド系も
白人ナショナリストからは、排除されていた。
白人ナショナリストは高学歴者もいる。
白人ナショナリズムの勢力分布が6ページも書かれている。
反移民系、反LGBTQ系、反イスラム系、クリスチャンアイデンティティ系、
ヘイト全般系、ホロコースト否定系、ヘイト音楽系など
多数ある。自動車王Hフォードも白人ナショナリストだった。
1つの集団ではなく、多数の集団がある。
KKKKというものもできている。昔は白い仮装だったが
今は何もない集団もある。勢力は落ちている。トランプ誕生からは
オルトライトを筆頭に反動思想が広がった。反共、反多文化主義など。
社会の分断が深まる。アメリカはどこへ向かうのか。
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