銀の人魚の海

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白人ナショナリズム 渡辺 靖

2025-01-04 | 本、雑誌

副題、アメリカを揺るがす「文化的反動」。

20年刊、中公新書。67年生まれ、ハーバードで博士号取得、

社会人類学博士。オックスフォード、ケンブリッジ、仏の大学など

ヨーロッパでも研鑽。05年から慶応SFC教授。専門はアメリカ研究。

米の選挙時、NHKで解説をし、初めて姿を見たか・・

「アフターアメリカ」という著書を前に読み。

気になっていた学者。

本書は単著で10冊目。難しかったが、ゆっくりと読んだ。

知らない米があった。白人ナショナリズム、とはいったい何なのだ?

そこからはじまる。白人史上主義と自国第一主義が結びついた思想。

多数の団体などが広がっている。

簡単に言えばトランプ政権もその一部。

4年前の本。渡辺は大学院時代、白人ナショナリズムの調査、

フィールドワークをした。怖いと感じることもあったとある。

多数の団体、NPOなどが書かれていて、これほど多々あるのかと

驚く。人種がほぼ同じ日本では考えられない。

広い知識を得られた。詳細な索引つき。渡辺もこれまでで一番

難しい執筆だった、書いていた楽しくはないが、

それでも書かないとと思ったとあとがきに書かれている。

避けて通れない問題だと。トランプ政権、今後のアメリカを思うと。

17年に起きユナイトザライトの集会で起きた

シャーロッツビルの衝突事件は衝撃だった。

黒人が警官に射殺もあった。BLM事件。

「多様性」は白人大虐殺の隠語だ。

映画に登場するKKK。1865年テネシー州で結成。

集団は~期にわかれている。1920年代半ばは人口の10%の

市民が参加。黒人排斥のイメージがあるが、実際はまずカトリック、

ユダヤ、最後に黒人だった。

原爆投下を命じたトルーマン大統領も

一時KKKだった。

反移民、イスラム、ユダヤ、フェミニズム、同性愛は

白人ナショナリストに根深くある。

25年前に調査をしたのはアイルランド系の地域。

若者の自殺率、薬、アル中が多かった。アイルランド系も

白人ナショナリストからは、排除されていた。

白人ナショナリストは高学歴者もいる。

白人ナショナリズムの勢力分布が6ページも書かれている。

反移民系、反LGBTQ系、反イスラム系、クリスチャンアイデンティティ系、

ヘイト全般系、ホロコースト否定系、ヘイト音楽系など

多数ある。自動車王Hフォードも白人ナショナリストだった。

1つの集団ではなく、多数の集団がある。

KKKKというものもできている。昔は白い仮装だったが

今は何もない集団もある。勢力は落ちている。トランプ誕生からは

オルトライトを筆頭に反動思想が広がった。反共、反多文化主義など。

社会の分断が深まる。アメリカはどこへ向かうのか。



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