北海道ユニバーサル上映映画祭実行委員長の島からメールがきました。
「被災地障害者センターふくしま」代表の白石清治さんが発表したメッセージです。
長文ですが、ぜひお読みください。
福島県民として大飯原発再稼働に関してもの申す
福島県民 白石 清春
忘れもしない昨年の3.11東日本大震災で、今まで安全神話のもとに稼働続けていた
福島原発の1号機から4号機まで壊れてしまい、莫大な量の放射性物質が福島県内、近隣地域にまき散らされた。
その当時、私は被災地障がい者支援センターふくしまを立ち上げて、被災者障がい者支援で毎日のように福島県内を動き回っていた。放射性物質が大量に降りつのった飯館村にも何回も通った。だいぶ外部・内部被ばくを受けた
だろう。
原発が爆発した時、政府は同心円上に避難区域を設けて避難指示を出した。文部科学省にある緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI(スピーディ)」の情報が政府に入ってこないなか、政府判断によって南相馬の人たちは放射性物質が大量に降りつのった飯館村に避難した。
飯館村の住民も放射線量の高い地域で生活していた。政治家と官僚の意思疎通ができていなかったのは非常にまずことだろう。
スピーディな情報は日本政府には入っていなかったが、アメリカにはその情報が逐一入っていたという。
チェルノブイリの放射性物質の拡散状況を見ても全然同心円にはなっていない。
避難指示命令が出た時に、すべての住民が避難できたのであろうか。逃げ遅れた障がい者の家族や、高齢者の夫婦が面倒をみていた重度障がい者のいる家族は、我が子を置き去りにするわけにはいかないと避難区域に残っていた者がいるのではないのか。
人の支援も受けずに餓死した障がい者がいるのではないか。または、避難区域にあった大規模入所施設の利用者たちは職員と共に県内の避難所を回って県外の避難所に避難していったが、その途中や県外の避難所で死亡者が出ている。
家族と共に避難した障がい者や高齢者は、避難途中の過労から、避難先で大勢が死亡したという。
避難区域にあった病院は、病人を避難させなければならないと懸命に頑張ったが、酸素ボンベを調達できずに、多くの酸素ボンベを使用していた患者を看取っていったという。
違う病院ではドクターや看護師が逃げてしまって患者だけが取り残されたという。
福島県内の障がい者関係事業所では、自然に抱かれた農地を耕して美味しい野菜などを市民の消費者の皆さんへ提供して、その収入を利用者さんの工賃に充てていた所があった。
目の前に「野菜を作ってよ」とささやいている農地があるのに…。
農地を前に呆然と立ち尽くす利用者さんたちと事業所の職員たち。
このような理不尽なことがあっていいのだろうか。
放射性物質の影響から福島県の産業は大ダメージを受けた。
今まで企業の協力によって下請け作業等をいただいていた障がい者関係事業所は、企業からの作業が入らなくなって、利用者に支払う工賃が少なくなっているという現実がある。
南相馬の事業所では力を合わせて平和の願いをメッセージに込めたカンバッジを作って、つながり∞ふくしまプロジェクトを通して、インターネットを通じて全国的に販売していく活動を行っている。自らの自主的な生産・営業活動でなんとか事業所を運営している。
放射線の影響は生長の早い子供の身体を蝕んでいく。
放射線のエネルギーで細胞のDNAが傷つけられる。そのDNAが修復されないうちに細胞分裂が起こり、悪性腫瘍がで
きやすい身体になっていく。
さらに、放射線による影響から免疫力低下の状態になっていくことが考えられる。障がい者や高齢者にも、免疫力低下による様々な病気が起こるのではないだろうか。今後、福島県では放射線の響によって虚弱児や障がい児が多く生まれてくることも考慮しておかなければならないだろう。
いくら重度でも、いくら身体が変形していたとしてもこの世に生を受けたものとして、この社会で生きていく権利=生存権が確立していかなければならないと私は考える。放射線の影響で産まれてくる身体が変形している子供ちは、私たちと同じ障害者なのである。
その障害者を認めないということは、私の存在自体を認めないことにつながるのだから…。福島県内に住む若い女性が、福島の戸籍を抹消したいと言っているということを聞いた。
福島県の女性とは結婚できないという風潮が全国的に広まっているからだろうか。さらに、福島県内では水面下で堕胎が増えているという。
福島で生まれた子供は身体に障がいを持って生まれてくるのではないかという『優生思想』に裏打ちされた障がい者に対する差別意識と恐怖意識があるからだろう。
原発事故を契機に障がい者を排除していく意識に対しては敢然と闘っていかなければならないと私は考えている。
障がいがあろうが無かろうが、みんな平等に人権が認められ、明るく楽しく安心して生活していける社会の創設していこうではないか。
福島県民の多くは政府や東電、または福島県から派遣された放射線の専門家の講演を聞いて、「放射線はそんなに怖いものではない」と錯覚してしまっている面がある。
または、放射性物質の怖さから逃れたいという意識が働いて普通通りの生活を送っているふしがある。
原発事故が起こった当初はマスクをかけていた県民だったが、月日が経つにつれて自己防護の姿勢が見られなくなっている。
私は郡山市に住んでいるが、電動車いすで走っている途中の保育所の前に放射線を測るモニタリングポストが設置されている。その数値は毎日0.4μ?を示している。
この数値は、病院のレントゲン室と同じである。レントゲン室の中で毎日生活しているようなものである。
このようなところに住んでいて果たしていいものだろうかと、ふと不安になる。
また郡山市保健センターのモニタリングポストの数値は0.6μ?以上をさしている。
健康を保つ保険センターがこのような放射線量のある場所にあるのが不思議だ。
放射線被ばく関連の情報では、外部被ばくのことだけがクローズアップされているが、本当は内部被ばくの方を真面目に考えなければならない。
ある専門家の話だと、外部被ばくの影響が15%だとすると内部被ばくはなんと80%になるという。人間は1日に5?の空気を吸うという。
この空気の中にも放射性物質が紛れ込んでいる。また、福島県産の野菜や果物、穀物の中にも放射性物質が混入している。昨年から今年にかけて降った雪が解けて、その水が山から里へ流れてくる。
雪解け水の中にも放射性物質が入っている。高齢者のいる家庭では庭に野菜を作っていて家族で食べている現状を聞いている。
チェルノブイリの事故状況を調べている方たちの話を聞いていると、放射線の影響は5・6年後から出てくるとある。今はまだみんな平気で生活しているが、将来が恐ろしい。
チェルノブイリ関係の動画を見ていると、原発事故が起きた時に30歳だった男性が40歳になった際、急に白血病に罹ったという。相当重篤な症状を見せていた。
福島県にもこのような恐ろしい現実が来るのだと思うといても立ってもいられない気持ちになってくる。
政府や東電は、福島第一原発の1~4号機の格納容器の中に水が入っているので、メルトダウンしている燃料棒は安定状態になっていると伝えているが、ある情報によると2号機の核燃料は格納容器から漏れ出して地下800メートルにもぐってしまっているとのこと。
格納容器に穴が開いて大量の水が地下に行っているに違いない。4号機は無残な姿をさらけ出していて、今にも崩れ落ちそうになっている。4号機の上の方の燃料プールには使用済み核燃料棒などが1500本ほど入っている。
今後強い地震が起きて、4号機の建屋が壊れて核燃料棒が地上にばら撒かれたら、再臨界が起きて4号機はじめ1~6号機に人間は近づけなくなり、すべての原発が爆発していくのを、手をこまねいて見ているよりほかない状況になる。
東日本は放射線によって人の住めない無法地帯になってしまうだろう。
4号機の上にクレーンを取り付けて、使用済み燃料棒を一本一本取り出し、4号機の下の方に新たに設置した燃料プールに移し替えるというが、あまりにも放射線量が高く4号機の近くに作業員が近づいて作業を行っていくことは難しいだろう。まだまだハラハラドキドキの綱渡りの状態が続いていくのだ。
強い地震が来ないことを祈っているしかない。
放射性物質による福島の現状についてまだまだ書きたいことがあるが、現状報告はこれくらいにしておく。
このように、福島の原発事故は私たち障がい者にも多大な影響を及ぼしている。私は、福島県に生きる人間として、障がい者として原発の再稼働に関しては絶対に容認できない。
何故に、人間の力や技術では制御できない原発にこだわるのか。もし仮に、事故を起こさないで原発が寿命を終えたとしよう。その引退した原発を解体しなければならない。原発を解体するにも何年もの時間を費やし、被ばくを受ける作業員を無駄に増やし、解体作業にも莫大なお金がかかるだろう。そのような経費の計算は各電力会社
ではしていないだろう。
そして、何十年とかけて冷やされた使用済み核燃料を固化したガラス容器に詰めて、地下深く何十万年という気が遠くなるほどの歳月を安全に保管しなければならないのだ。フィンランドでは原発が立地されているオキルトオト島の地下の岩盤をくり抜いて、地下400メートルに核廃棄物を永久補完する「オンカロ計画」を進行中である。
私は、オンカロをモデルとした映画「100000年後の安全」を観た。100,000年後は文明自体が変化して、この時代の言葉が通用しないかも知れない。
危険な核廃棄物が入っていることも知らずに地下400メートルの封印を開けるとも限らない。いくら堅い岩盤とはいえ年月を経る中で海水が貯蔵施設に入り込んでくる危険性も零ではない。我が国ではまだ核廃棄物最終処分場をどこにするのか決まっていない。
このように地震の多い日本の地下深くに最終処分場を建設できるのだろうか?最終処分場が決められないなか、原発を再稼働させていくということは使用済み核燃料を冷やしておく燃料プールを原発の敷地内に増設していくことになるのだろうか?
日本で処分することができない場合は外国に処分を依頼するのだろうか?そのような深刻な問題を棚の上に置いて、原発の再稼働をするというあきれたずさんな計画?を立てているのが日本政府や電力会社、原発関連会社である。
前述したが、福島原発1号機から4号機の内部がどうなっているのか全然わかっていない状況がある。放射線量が非常に高いために作業員たちが原発の内部を確認することができないのである。福島原発は建設されてから40年も稼働し続けていたため格納容器などが劣化していたことも考えられる。
東日本大震災の地震によって格納容器が壊れたかも知れない。福島原発の事故の検証や内部状況の点検などが全然行われていないにも関わらず、大飯原発の再稼働やその他の原発の再稼働にGOサインを出すという政府の判断は絶対に間違っている。
原発事故により福島県民が失意のどん底に突き落とされているこの現実を日本の政治家はどのように把握しているのか。
農業も漁業も牧畜業や酪農も放射性物質のばらまきによって、何もかもが崩れ去っていく福島のこの現実をどう見ているのか。
福島県民は多量の放射性物質にまみれて福島県が衰退していくのを待っているだけなのか。第一次産業が壊滅的であるなら、第二次、第三次産業においても壊滅的ダメージをこうむるのではないか。せめて、せめて福島県の子供たちだけでも政府の責任で放射線の影響のない地域に集団疎開させていただきたい。一時的に福島県の人口が減ってもいいだろう。
子供たちが放射能に汚染されずに済むのなら。何百年、何千年かかろうと、福島県の新生を願う強い志があるのなら、福島県民の子孫が自然豊かな、米の美味しい、果物がたくさん実る福島県は不死鳥のようによみがえさせるはずだ。
これにかけて、遠い未来を見据えよう。
大都市東京が停電になると昨年の夏は大騒ぎしたが、なんとかその危機を乗り切ったではないか。今夏、大飯原発を再稼働しないと大阪は14%マイナスの電力減になるという。大阪人の気質でみんなの創意と工夫があれば、大飯原発を再稼働しなくてもこの夏を乗り切れると私は信じる。
病院には自家発電装置を設置(政府や行政が補助)して、ALS患者等人工呼吸器をつけた者に対しては行政が小型発電機を支給するような対策をとっていき、大阪府民や大阪市民、それに大阪の企業が消費電力を減らす努
力をすれば、必ず乗り切れる。
日本の全国民が数年間の夏の季節を乗り切り、その数年間で地熱発電、海洋風力発電、太陽光発電、波力発電、河川発電などの自然エネルギーを利用した発電システムを設置していけば、必ず未来は拓けるであろう。
もう一つ、原発が稼働を停止すれば原発を抱える地方自治体では、多額の補助金が降りなくなるので、原発の稼働を停止したくないと言っているところが多いが、原発がつくられる以前にはその地方自治体独自の予算だけで運営していたのだろう。
それでも補助金がほしいという地方自治体に対しては、原発を解体していくまでの間は補助金を出していく方法で考えればよい。ドイツでは現在原発を解体中だが、解体作業にも何年もの時間が必要なのだ。
原発解体の期間中にその地方自治体では原発に頼らない、自立した地方自治体を創造していけば良いではないか。
我が国日本では、大小いくつもの戦争や災害、公害を経験して、幾多の苦難に立ち向かって日本再生を図ってきた。この未曽有の東日本大震災を、福島原発事故を経験しておきながら、我が国の政府はこれまでの方法をまったく変えようとしないで、このまま突き進んでいく気でいるらしい。
福島の原発事故、普天間の問題、世界の紛争、難民問題、経済問題、世界の貧富の格差問題、自然破壊、環境問題どれにしても人間がかかわっている問題である。
人間の醜さが奏でる不協和音交響楽はこれで終いにしよう。
もうこれぐらいにして人間よ、
変わらなければ人類は滅亡してしまう。それほどの崖っぷちに立たされているのだ。
まずは日本国民が先頭に立って平和の礎を構築していくために、大飯原発はじめ日本全国の原発の再稼働をストップしていく行動から始めようではないか。
以上です。
どのように感じられましたでしょうか?
今一人一人ができることは必ずあると思います。
それはあの日を忘れないこと。そして、たとえ小さくても行動し、繋ぎ合わせ続けることだと。
最後までお読みいただきありがとうございました。
「被災地障害者センターふくしま」代表の白石清治さんが発表したメッセージです。
長文ですが、ぜひお読みください。
福島県民として大飯原発再稼働に関してもの申す
福島県民 白石 清春
忘れもしない昨年の3.11東日本大震災で、今まで安全神話のもとに稼働続けていた
福島原発の1号機から4号機まで壊れてしまい、莫大な量の放射性物質が福島県内、近隣地域にまき散らされた。
その当時、私は被災地障がい者支援センターふくしまを立ち上げて、被災者障がい者支援で毎日のように福島県内を動き回っていた。放射性物質が大量に降りつのった飯館村にも何回も通った。だいぶ外部・内部被ばくを受けた
だろう。
原発が爆発した時、政府は同心円上に避難区域を設けて避難指示を出した。文部科学省にある緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI(スピーディ)」の情報が政府に入ってこないなか、政府判断によって南相馬の人たちは放射性物質が大量に降りつのった飯館村に避難した。
飯館村の住民も放射線量の高い地域で生活していた。政治家と官僚の意思疎通ができていなかったのは非常にまずことだろう。
スピーディな情報は日本政府には入っていなかったが、アメリカにはその情報が逐一入っていたという。
チェルノブイリの放射性物質の拡散状況を見ても全然同心円にはなっていない。
避難指示命令が出た時に、すべての住民が避難できたのであろうか。逃げ遅れた障がい者の家族や、高齢者の夫婦が面倒をみていた重度障がい者のいる家族は、我が子を置き去りにするわけにはいかないと避難区域に残っていた者がいるのではないのか。
人の支援も受けずに餓死した障がい者がいるのではないか。または、避難区域にあった大規模入所施設の利用者たちは職員と共に県内の避難所を回って県外の避難所に避難していったが、その途中や県外の避難所で死亡者が出ている。
家族と共に避難した障がい者や高齢者は、避難途中の過労から、避難先で大勢が死亡したという。
避難区域にあった病院は、病人を避難させなければならないと懸命に頑張ったが、酸素ボンベを調達できずに、多くの酸素ボンベを使用していた患者を看取っていったという。
違う病院ではドクターや看護師が逃げてしまって患者だけが取り残されたという。
福島県内の障がい者関係事業所では、自然に抱かれた農地を耕して美味しい野菜などを市民の消費者の皆さんへ提供して、その収入を利用者さんの工賃に充てていた所があった。
目の前に「野菜を作ってよ」とささやいている農地があるのに…。
農地を前に呆然と立ち尽くす利用者さんたちと事業所の職員たち。
このような理不尽なことがあっていいのだろうか。
放射性物質の影響から福島県の産業は大ダメージを受けた。
今まで企業の協力によって下請け作業等をいただいていた障がい者関係事業所は、企業からの作業が入らなくなって、利用者に支払う工賃が少なくなっているという現実がある。
南相馬の事業所では力を合わせて平和の願いをメッセージに込めたカンバッジを作って、つながり∞ふくしまプロジェクトを通して、インターネットを通じて全国的に販売していく活動を行っている。自らの自主的な生産・営業活動でなんとか事業所を運営している。
放射線の影響は生長の早い子供の身体を蝕んでいく。
放射線のエネルギーで細胞のDNAが傷つけられる。そのDNAが修復されないうちに細胞分裂が起こり、悪性腫瘍がで
きやすい身体になっていく。
さらに、放射線による影響から免疫力低下の状態になっていくことが考えられる。障がい者や高齢者にも、免疫力低下による様々な病気が起こるのではないだろうか。今後、福島県では放射線の響によって虚弱児や障がい児が多く生まれてくることも考慮しておかなければならないだろう。
いくら重度でも、いくら身体が変形していたとしてもこの世に生を受けたものとして、この社会で生きていく権利=生存権が確立していかなければならないと私は考える。放射線の影響で産まれてくる身体が変形している子供ちは、私たちと同じ障害者なのである。
その障害者を認めないということは、私の存在自体を認めないことにつながるのだから…。福島県内に住む若い女性が、福島の戸籍を抹消したいと言っているということを聞いた。
福島県の女性とは結婚できないという風潮が全国的に広まっているからだろうか。さらに、福島県内では水面下で堕胎が増えているという。
福島で生まれた子供は身体に障がいを持って生まれてくるのではないかという『優生思想』に裏打ちされた障がい者に対する差別意識と恐怖意識があるからだろう。
原発事故を契機に障がい者を排除していく意識に対しては敢然と闘っていかなければならないと私は考えている。
障がいがあろうが無かろうが、みんな平等に人権が認められ、明るく楽しく安心して生活していける社会の創設していこうではないか。
福島県民の多くは政府や東電、または福島県から派遣された放射線の専門家の講演を聞いて、「放射線はそんなに怖いものではない」と錯覚してしまっている面がある。
または、放射性物質の怖さから逃れたいという意識が働いて普通通りの生活を送っているふしがある。
原発事故が起こった当初はマスクをかけていた県民だったが、月日が経つにつれて自己防護の姿勢が見られなくなっている。
私は郡山市に住んでいるが、電動車いすで走っている途中の保育所の前に放射線を測るモニタリングポストが設置されている。その数値は毎日0.4μ?を示している。
この数値は、病院のレントゲン室と同じである。レントゲン室の中で毎日生活しているようなものである。
このようなところに住んでいて果たしていいものだろうかと、ふと不安になる。
また郡山市保健センターのモニタリングポストの数値は0.6μ?以上をさしている。
健康を保つ保険センターがこのような放射線量のある場所にあるのが不思議だ。
放射線被ばく関連の情報では、外部被ばくのことだけがクローズアップされているが、本当は内部被ばくの方を真面目に考えなければならない。
ある専門家の話だと、外部被ばくの影響が15%だとすると内部被ばくはなんと80%になるという。人間は1日に5?の空気を吸うという。
この空気の中にも放射性物質が紛れ込んでいる。また、福島県産の野菜や果物、穀物の中にも放射性物質が混入している。昨年から今年にかけて降った雪が解けて、その水が山から里へ流れてくる。
雪解け水の中にも放射性物質が入っている。高齢者のいる家庭では庭に野菜を作っていて家族で食べている現状を聞いている。
チェルノブイリの事故状況を調べている方たちの話を聞いていると、放射線の影響は5・6年後から出てくるとある。今はまだみんな平気で生活しているが、将来が恐ろしい。
チェルノブイリ関係の動画を見ていると、原発事故が起きた時に30歳だった男性が40歳になった際、急に白血病に罹ったという。相当重篤な症状を見せていた。
福島県にもこのような恐ろしい現実が来るのだと思うといても立ってもいられない気持ちになってくる。
政府や東電は、福島第一原発の1~4号機の格納容器の中に水が入っているので、メルトダウンしている燃料棒は安定状態になっていると伝えているが、ある情報によると2号機の核燃料は格納容器から漏れ出して地下800メートルにもぐってしまっているとのこと。
格納容器に穴が開いて大量の水が地下に行っているに違いない。4号機は無残な姿をさらけ出していて、今にも崩れ落ちそうになっている。4号機の上の方の燃料プールには使用済み核燃料棒などが1500本ほど入っている。
今後強い地震が起きて、4号機の建屋が壊れて核燃料棒が地上にばら撒かれたら、再臨界が起きて4号機はじめ1~6号機に人間は近づけなくなり、すべての原発が爆発していくのを、手をこまねいて見ているよりほかない状況になる。
東日本は放射線によって人の住めない無法地帯になってしまうだろう。
4号機の上にクレーンを取り付けて、使用済み燃料棒を一本一本取り出し、4号機の下の方に新たに設置した燃料プールに移し替えるというが、あまりにも放射線量が高く4号機の近くに作業員が近づいて作業を行っていくことは難しいだろう。まだまだハラハラドキドキの綱渡りの状態が続いていくのだ。
強い地震が来ないことを祈っているしかない。
放射性物質による福島の現状についてまだまだ書きたいことがあるが、現状報告はこれくらいにしておく。
このように、福島の原発事故は私たち障がい者にも多大な影響を及ぼしている。私は、福島県に生きる人間として、障がい者として原発の再稼働に関しては絶対に容認できない。
何故に、人間の力や技術では制御できない原発にこだわるのか。もし仮に、事故を起こさないで原発が寿命を終えたとしよう。その引退した原発を解体しなければならない。原発を解体するにも何年もの時間を費やし、被ばくを受ける作業員を無駄に増やし、解体作業にも莫大なお金がかかるだろう。そのような経費の計算は各電力会社
ではしていないだろう。
そして、何十年とかけて冷やされた使用済み核燃料を固化したガラス容器に詰めて、地下深く何十万年という気が遠くなるほどの歳月を安全に保管しなければならないのだ。フィンランドでは原発が立地されているオキルトオト島の地下の岩盤をくり抜いて、地下400メートルに核廃棄物を永久補完する「オンカロ計画」を進行中である。
私は、オンカロをモデルとした映画「100000年後の安全」を観た。100,000年後は文明自体が変化して、この時代の言葉が通用しないかも知れない。
危険な核廃棄物が入っていることも知らずに地下400メートルの封印を開けるとも限らない。いくら堅い岩盤とはいえ年月を経る中で海水が貯蔵施設に入り込んでくる危険性も零ではない。我が国ではまだ核廃棄物最終処分場をどこにするのか決まっていない。
このように地震の多い日本の地下深くに最終処分場を建設できるのだろうか?最終処分場が決められないなか、原発を再稼働させていくということは使用済み核燃料を冷やしておく燃料プールを原発の敷地内に増設していくことになるのだろうか?
日本で処分することができない場合は外国に処分を依頼するのだろうか?そのような深刻な問題を棚の上に置いて、原発の再稼働をするというあきれたずさんな計画?を立てているのが日本政府や電力会社、原発関連会社である。
前述したが、福島原発1号機から4号機の内部がどうなっているのか全然わかっていない状況がある。放射線量が非常に高いために作業員たちが原発の内部を確認することができないのである。福島原発は建設されてから40年も稼働し続けていたため格納容器などが劣化していたことも考えられる。
東日本大震災の地震によって格納容器が壊れたかも知れない。福島原発の事故の検証や内部状況の点検などが全然行われていないにも関わらず、大飯原発の再稼働やその他の原発の再稼働にGOサインを出すという政府の判断は絶対に間違っている。
原発事故により福島県民が失意のどん底に突き落とされているこの現実を日本の政治家はどのように把握しているのか。
農業も漁業も牧畜業や酪農も放射性物質のばらまきによって、何もかもが崩れ去っていく福島のこの現実をどう見ているのか。
福島県民は多量の放射性物質にまみれて福島県が衰退していくのを待っているだけなのか。第一次産業が壊滅的であるなら、第二次、第三次産業においても壊滅的ダメージをこうむるのではないか。せめて、せめて福島県の子供たちだけでも政府の責任で放射線の影響のない地域に集団疎開させていただきたい。一時的に福島県の人口が減ってもいいだろう。
子供たちが放射能に汚染されずに済むのなら。何百年、何千年かかろうと、福島県の新生を願う強い志があるのなら、福島県民の子孫が自然豊かな、米の美味しい、果物がたくさん実る福島県は不死鳥のようによみがえさせるはずだ。
これにかけて、遠い未来を見据えよう。
大都市東京が停電になると昨年の夏は大騒ぎしたが、なんとかその危機を乗り切ったではないか。今夏、大飯原発を再稼働しないと大阪は14%マイナスの電力減になるという。大阪人の気質でみんなの創意と工夫があれば、大飯原発を再稼働しなくてもこの夏を乗り切れると私は信じる。
病院には自家発電装置を設置(政府や行政が補助)して、ALS患者等人工呼吸器をつけた者に対しては行政が小型発電機を支給するような対策をとっていき、大阪府民や大阪市民、それに大阪の企業が消費電力を減らす努
力をすれば、必ず乗り切れる。
日本の全国民が数年間の夏の季節を乗り切り、その数年間で地熱発電、海洋風力発電、太陽光発電、波力発電、河川発電などの自然エネルギーを利用した発電システムを設置していけば、必ず未来は拓けるであろう。
もう一つ、原発が稼働を停止すれば原発を抱える地方自治体では、多額の補助金が降りなくなるので、原発の稼働を停止したくないと言っているところが多いが、原発がつくられる以前にはその地方自治体独自の予算だけで運営していたのだろう。
それでも補助金がほしいという地方自治体に対しては、原発を解体していくまでの間は補助金を出していく方法で考えればよい。ドイツでは現在原発を解体中だが、解体作業にも何年もの時間が必要なのだ。
原発解体の期間中にその地方自治体では原発に頼らない、自立した地方自治体を創造していけば良いではないか。
我が国日本では、大小いくつもの戦争や災害、公害を経験して、幾多の苦難に立ち向かって日本再生を図ってきた。この未曽有の東日本大震災を、福島原発事故を経験しておきながら、我が国の政府はこれまでの方法をまったく変えようとしないで、このまま突き進んでいく気でいるらしい。
福島の原発事故、普天間の問題、世界の紛争、難民問題、経済問題、世界の貧富の格差問題、自然破壊、環境問題どれにしても人間がかかわっている問題である。
人間の醜さが奏でる不協和音交響楽はこれで終いにしよう。
もうこれぐらいにして人間よ、
変わらなければ人類は滅亡してしまう。それほどの崖っぷちに立たされているのだ。
まずは日本国民が先頭に立って平和の礎を構築していくために、大飯原発はじめ日本全国の原発の再稼働をストップしていく行動から始めようではないか。
以上です。
どのように感じられましたでしょうか?
今一人一人ができることは必ずあると思います。
それはあの日を忘れないこと。そして、たとえ小さくても行動し、繋ぎ合わせ続けることだと。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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