坂本龍一/戦場のメリークリスマス (ピアノソロ・ヴァージョン)
どんな戦地であっても、クリスマスはある。
この映画を見たとき、大切なものをすべて奪われること、大切な人と別れること、それが人にとってどんなことなのかを疑似体験したように思った。
私にとっても生き抜くことは多分戦場だったと思う。
ただ記憶として、「つらかったのか?」と問われれば「ううん、普通」と私は答える。
心の奥底では小さなkasumiが「違う~~~」と叫ぶ。
小さい子どもにとっては、どんな言葉にしても、耐えられない苦しさだったのだと想像は出来るが、私には記憶がない。
ただ、その記憶にともなう、なにかしらの言葉に反応した時にポロポロと出てくる涙は、その時の気持ちなのだろう。
なにげなく「お疲れ様」「頑張ったね」そう労ってもらうとほわっとするのはなぜだろうか?
たぶん、子どもの時に、「つらかったね。もう大丈夫だよ」と誰かが救ってくれることを待っていたのかもしれない。
私は、小さなkasumiを抱きしめた時の感触は忘れない。
細くて、きゃしゃで、そして笑顔が透明だった。
そして、優しい声をしていた。
その子に私は、助けられていた。
その子の頑張りで命をつないだ。
小さなkasumiへ
ありがとう、いつまでも一緒だよ。
ウルトラマンは助けにきてくれなかったけれど、私を待っていてくれてありがとう。