夏の終わりに、怖い話を一つどうですか。
丁度二年前の今頃、私が例によって夕方市の陸上競技場でジョギングをしていたら、二人の女が、東側入り口から半円型の低いスタンドの方に入って来た。二人は旅行者のようでキャリーバックを引いていた。私は(ほう~観光客が、こんな所に来るとは珍しいな・・・)と思った。
私が、三周目に掛かった所で、二人は国旗掲揚台の近くまで歩いていた。擦れ違う刹那物珍しさが有ってか私は彼女らの方に目線を流すと、偶然に二人も私を見た。二人とも顔に薄ら笑いを浮かべていた。
翌日の夕方、何時ものように、私が市の陸上競技場に走りに行ったら、管理人の話で、二人の女の自殺者が有った事を知った・・・何故か、首吊り自殺をした二人の足下には、キャリーバックとその中身が散乱していたと聞いた。
『 夕されば 九月初旬 暮れ易く 夏の名残に 今宵怪談 』
『 赤々と 夕映え燃えて 夏の果て 』 石 兎
丁度二年前の今頃、私が例によって夕方市の陸上競技場でジョギングをしていたら、二人の女が、東側入り口から半円型の低いスタンドの方に入って来た。二人は旅行者のようでキャリーバックを引いていた。私は(ほう~観光客が、こんな所に来るとは珍しいな・・・)と思った。
私が、三周目に掛かった所で、二人は国旗掲揚台の近くまで歩いていた。擦れ違う刹那物珍しさが有ってか私は彼女らの方に目線を流すと、偶然に二人も私を見た。二人とも顔に薄ら笑いを浮かべていた。
翌日の夕方、何時ものように、私が市の陸上競技場に走りに行ったら、管理人の話で、二人の女の自殺者が有った事を知った・・・何故か、首吊り自殺をした二人の足下には、キャリーバックとその中身が散乱していたと聞いた。
『 夕されば 九月初旬 暮れ易く 夏の名残に 今宵怪談 』
『 赤々と 夕映え燃えて 夏の果て 』 石 兎