石兎の風流日誌

日常に考えた事を俳句・短歌で綴る。

野良猫逝く

2010-03-29 02:15:41 | 日記
 この三,四年、朝晩キャット・フードをやって、面倒を見ていた野良猫のジュニア(勝手に付けた名前)が、土曜朝、隣家のチリ置き場に袋に入れられ捨てられているのを発見して、驚いた。車に撥ねられたか・・・
 
 チリと一緒に焼かれるのでは、可哀そうだと思ったので、庭に埋めてやろうと、運ぼうとしたら、微かに息をしていた・・・何てこった。まだ息が有るじゃないか。

 家に運んで、何時も、ジュニアが寝ていた軒下の古いマットに寝かした。半日持つかどうかだろうが。ジュニアも、春の日差しの中縄張りにしていた庭を見ながら、最後の時を迎えられるのだから、安んじて黄泉へ旅立つ事が出来るだろう。

 ジュニア、陽当たりのいい庭の一番好い所に、お前を埋めてやるよ。


   『 春悲し 野良猫ジュニア 瀕死なり 』

   『 二日間 姿無かった 野良猫の  ジュニアが今朝は 死に掛けている 』       石   兎

恋保険・・・

2010-03-27 10:49:06 | 日記
「アケミ、ホワイト・デーどうだった」
「ええ~何、今頃そんな事聞くの」
「ははは、アケミの成果が気になったからさぁ~」
「ふん、人の成果なんか、気にしないでよ」
「ははあ、さては成果ゼロだったのね」
「な、何、成果ゼロって。本命チョコは、一人だけでしょ。ケイコ、あんた、本命チョコ沢山配ったの」
「はは、保険よ、保険」
「馬鹿、恋に保険が有るの」
「有る、有る。私付き合いたい男、一人だけじゃないから」
「はあ~、あんたって人は」
「アケミ、何、真面目に考えているの」
「・・・・・・・」
「一寸、一寸待ってよ、アケミ」
とケイコ。



    =  犬 と 一 緒 に  =

  犬を引く少女。
  何処かで、誰かが、心細げに呼んでいる。
  私の心は、共鳴する。
  不安の拠所は、人の心だと。
  ここは、鄙びた一本道。
  八月の末の夕暮れは、少し足早で、
  少女も、犬と一緒に、私の傍らを駆け抜ける。

                            石    兎

コマンドール章・・・

2010-03-17 03:13:45 | 日記
 ビート武こと北野武が、フランスから、芸術文化に貢献した人に贈られる最高賞で有るコマンドール章を授与された・・・私は、ビート武の芸風も、映画監督北野武の作品も嫌いなので、フランス人の彼に対する肩入れがどうも理解出来ないのだが。
 
 ビート武の芸風は、初期の漫才(ツービートの頃)の時から嫌いで、特に老人(弱者)を笑い者にするネタが大嫌いだった。映画監督としての北野武の作品は、ただ無意味に人を殺すバイオレンス映画が多過ぎる気がするし、その他の彼の映画にも、私は芸術性を見出す事が出来ない。
 
 一体、フランス人の感性は、どうなっているのか・・・それとも、ビート武こと北野武に贈られたコマンドール章は、フランスの日本に対する政治的メッセージなのか。


   =  黄 砂 降 る 夕 暮 れ  =

  街が、黄砂にかすむ夕暮れ。
  運動公園の片隅にいた私を訪れた、
  寂しき感慨。
  やがて、総ては思い出になる。
  今日という日も、明日という日も、
  十年後も、二十年後も、三十年後も。
  私の生死にかかわらず、時は流れ行く。 
                                
                              石   兎

口は災いの元・・・

2010-03-13 06:00:51 | 日記
 マスコミ(スポーツ紙や民放テレビなど)は、相変わらず元横綱の朝青龍を追い掛け回している。私は、元横綱は、もう一般人なのだから執拗に追い掛け回すのはプライバシーの侵害で有ると思うのだが、矢張り、新聞が売れたり視聴率が取れるから、止められないのだろう。

 今度、元横綱の朝青龍は、モンゴルに帰って、日本相撲協会に付いて、あれこれ批判めいた事を言った様だが。私は、引退相撲や断髪式がまだ済んでいないのに、何で波風を立てる様な事を言うのかと、疑問に思った。
 何故、大相撲の大横綱にまでなった男が、世間(日本社会)と折り合いを付ける事が出来ないのか。要するに、こういう事ではないのか。彼の相撲は、素質と気迫だけの相撲で、考えに考えて作り上げた相撲ではなかったのだ。だから、彼は、大横綱では有ったが、物事を深く考える習慣がなかったのだろう。

 全く、トラブルメーカーでは、一般社会でも失敗(シクジ)る事は目に見えている。


  『 気鬱やな 一身一体 春の空 』                石   兎

アカデミー賞

2010-03-09 21:59:40 | 日記
 アカデミー賞で、和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りしたドキュメンタリーが、賞を取ったようだが・・・それは、クジラやイルカを偏愛する欧米人の思い上がりと人種的偏見に基づく作品だ。

 日本の和歌山県太地町のイルカ漁を野蛮だと批判するより、テロとの戦いと称して、イラクやアフガニスタンでイスラム過激派と一般住民を一諸くたにして殺している米国を批判しろ。

 今日も、ラジオのニュースが、ナイジェリアでイスラム教徒が、キリスト教徒の町を襲撃して、五百人以上のキリスト教徒が殺されるジェノサイドが有ったと告げていた・・・世界には、和歌山県太地町のイルカ漁より、批判されなければならない人間による人間の殺戮が有る。


   『 弟と 永訣の春 来世願う 』             石    兎