双葉文庫
2012年10月 第1刷発行
2021年1月 第30刷発行
解説・吉田伸子
328頁
2014年NHK制作のドラマ(主演・高橋克典)をCSで観て興味を持ちました
商店街に暮らす人々が「珈琲屋」で店主の淹れた熱い珈琲を飲みながら語った人間ドラマを描く連作短編集
総武線沿線の小さな商店街の一角に佇む喫茶店
殺人の前科を持つ宗田が出所後、父の後を継いだ「珈琲屋」です
小さな商店街にも当事者にとっては大きな出来事が日々起こっています
夫の浮気に悩むクリーニング店の女性
両親の営む和菓子店が切羽詰まっていることを知り自暴自棄になる女子高校生
寝たきりの妻の介護に疲れ魔が差したのか…年下の女性に恋心を抱く男性
などなど
やっかいだな、と思ったのは宗田が死なせた男の妻・朱美
どうやら宗田に想いを寄せているようでその昏い情念が、宗田と殺人を犯す前に交際していた幼馴染の冬子との間に割り込んできます
人間には表もあれば裏もある
疲れて恨みつらみを言いたくなる時に、踏みとどめてくれる誰かがいる、何かがきっとある
そんな思いが残る作品でした
私は熱々より少し冷めた珈琲が好きです♪
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