講談社文庫
2012年4月 第1刷発行
2017年10月 第19刷発行
解説・島本理生
479頁
地元を飛び出したみずほと残ったチエミ
ある事件が起こるまでは幼馴染の2人の人生はもう交わることはないはずでした
チエミが母親を殺し、失踪してから半年
みずほの脳裏に浮かんだのは幼い頃チエミと交わした約束でした
仲の良い母娘だったはずのチエミに何があったのか
チエミを追い続けるみずほが辿り着いた先には…
みずほの母親はいわゆる毒親で始末の悪いことに母親自身にその自覚があります
息苦しい我が家に比べ、楽しそうなチエミ一家が羨ましかったみずほ
なので、チエミが母親を殺害したというのは間違いで、実は?
辻村さんならどんな展開に持ち込むのかワクワクしながら読みました
みずほがチエミの失踪後、地元の友人たちやチエミの職場の同僚にチエミについて問いかける中で浮かび上がってくる女性のネガティブな内面
女であること
女同士のしがらみの中で生きること
娘という立場
母という存在
見事に内面を見透かされました
実体験で分かっていたことですがこのように言葉にして突き付けられると、それらを乗り越えた年齢になった今でもショックを受けました
帯より
どんな母娘にも起こりうる悲劇
事件を起こすなら私のほうだと思ってた
すべての母親はとても親密で、それと同じくらい険悪だ
チエミとみずほに、世の中の母娘たち皆に明るい未来が訪れますように…
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます