文春文庫
2007年10月 第1刷
2018年 1月 第22刷
解説・森絵都
327頁
第132回直木賞受賞
主人公は田村小夜子、35歳
5年前に勤め先での人間関係に疲れて寿退社した彼女は、以来専業主婦として暮らしてきました
夫、娘、嫌味ばかりの姑
日常的に小夜子に関わりのあるのはこの3人だけ
外での息抜きもせず、娘の公園デビューにも躓き、最近では他者と関わる気力自体を失いかけています
そんな小夜子が一念発起、働きに出ようと決心し面接に赴いた会社で出会ったのが、本作のもう一人の主人公・葵
小夜子と同い年の35歳で、大学卒業と同時に起業、性格は陽気で常に前向き、小夜子とはまさしく対岸にあるような二人の人生が交わります
同じ大学の同級生だったこともわかり急速に親しみを増す二人でしたが時が経つにつれ亀裂が生じていきます
独身女性と主婦
社長と部下
外交的な性格と内向的な性格
様々な相違が二人を隔てる障壁として立ちはだかります
小夜子の視点で語られる「現在」と葵の視点で語られる「過去」
現在の陽気な性格からは想像もできない葵の過去には驚かされます
葵の立ち上げた会社「プラチナ・プラネット」の名の由来も切ないです
小夜子と葵
彼女たちは前に進むことができるのでしょうか
人と関わることは様々な苦痛や困難を伴うものですが、それらをエネルギーに変えてまた私たちも前に進まなければならないのだろう、進めるものなのだろう、と思いました
そう、角田さんは上手い作家さんだと思います。
その”女性らしさ”が苦手でこれまで避けてきたのですが、そうもいくまいと読み始めたところ。
私は公立の男女共学高だったし、イジメやカースト制度なんてのも今ほど激しくなかった(皆無ではなかった)ので、本書のような女子高で生き残る辛さはちょっとね…。
実のところ、前へ進むゾ!で終わるにしても、もっとカラっとしたものが好きです。
角田さん、確かに”女性らしい”作家さんなんですね。
上手い作家さんだと思うのですが、なぜか私にとってバラつきが大きいのはそのせいかもしれません。
http://blog.livedoor.jp/todo_23-br/archives/13866949.html
女性の嫌らしいところがたくさん出てきますよね。
森絵都さんの解説だけでも充分かも^^
ところが書いてる感想がこにさんとは別の作品みたいに全然違う。そもそも感想を読んでも内容が全く思い出せない。ん~寄る年波か(苦)
今度再読してみようかな。