原題 THE IMITATION GAME
2014年 イギリス、アメリカ
第二次大戦中、解読不可能と言われていたドイツ軍の暗号エニグマに挑んだ天才数学者、アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)
戦争終結とコンピューター発明に高く貢献した人物でありながら、その生涯は重大機密として英国政府に隠され続けてきた
1939年、イギリス
世界一の天才数学者を自負するアランはドイツ軍の暗号エニグマを解読するという政府の極秘任務に就きます
目的の為に、他にも優秀なメンバーを揃えたチームが結成されるのですが自信家で不器用、“普通じゃない”アランはチームの中で浮いてしまいます
そんな中、追加採用されたジョーン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)がチームに参加、アランを理解し他のメンバーとの橋渡しをしてくれたことで、いつしか仲間との絆が生まれ始めます
アランの作ったマシーン『クリストファー』はエニグマの解読に成功するのですが、解読に成功したことがドイツ軍に知れれば、エニグマそのものに変更が加えられまた新たな暗号解読に挑戦しなければならないと考えたアランたちは、MI6のマーク・ストロング(スチュアート・ミンギス)に相談のうえ、英国軍、英政府すらも欺きつつなるべく早く戦争を終結に導くよう工作します
彼らの活躍により戦争終結が2年早まったとのこと
エニグマ解読時代の映像に、アランの寄宿生時代と現在(1951年)が前後して挟まれます
孤独な天才数学者の持つ秘密には胸が震えました
アランの物語の陰になっていますがジョーン・クラークの人生もまた注目に値します
20世紀半ばの女性に対する社会通念は、イギリスにおいてもまだまだ閉鎖的でした
優秀ではあっても、普通に結婚し子供を育て家庭を守ることを良しとした両親に育てられたジョーンが、アランたちと一緒に仕事をしたことで強い意志を持ち自分らしく生きようと変化していくのも見逃せません
自分のカンバーバッチへの思い入れが強すぎるのは分かっていますが
カンバーバッチがアランを演じているのではなく
シャーロックもカーンもすっかり消えて完全にカンバーバッチ=アランでした
出来の良い映画を観た嬉しさと
物語の切なさに複雑な思いが残りました
いつまでも心に残るであろう作品のひとつです
「パリよ、永遠に」に続けて観た対ドイツの戦争映画
本作でも実際の戦闘シーンの記録映像が流れます
戦後70年目の本年にこのようが映画が封切られるのは偶然でしょうか
「エニグマ」と言えば、私にとってはエルガーの音楽の一つですが、もう一つ、こんな本もありました。ロバート・ハリス著『暗号機エニグマへの挑戦』(新潮文庫)。トラックバックいたします。
面白そうな内容ですね。早いうちに読みたいです。
数学やコンピュータに強い方の観賞に耐えうるのか、といった点は分りませんが(笑)、人間ドラマとして是非鑑賞下さいませ。
ちなみに数学科卒業の息子はあまり興味が無いみたいでした。
(^_^;)
きっと本当は、一緒に過ごした仲間の多くに、“彼の秘密”はバレていたのに、
彼らは気にしなかったんでしょうね。
むしろ気が付かないほど純粋な彼を好意的に観守っていたのかも、と思いました。
タカピーだけど純粋。
カンバーバッチさん、似合いますよね~
声がまた素敵です!
今になってやっとアラン・チューリングの人生に陽が当たったのは悲しいことでもありますね。
>むしろ気が付かないほど純粋な彼を好意的に観守っていた
そうであって欲しいと思います^^
こにさんも、ベネさんに思い入れが深いのねー^^
本作とシャーロックくらいしか私はよく知らないのだけれど、両方何か通じるところがある役どころでしたね。
こんなにお国のために、尽くしてがんばったのに、イギリスはひどいなあー
特に声に痺れます(*^^)v
以前の映画作品も数本観ましたがシャーロック以降のが良いです。
女王や首相が詫びたといっても遅すぎますよね。
国に殺されたようなものと言ったら言い過ぎかしら。
私も「パリよ、永遠に」の直後にこの作品を観ました!
ドイツ戦つながりで…両方とも見ごたえがありました。
カンパーバッチがお好きなのですね…この、今で言うならKYな天才ぶりが、とても上手く演じられていたと思います。
ラストは、本当に哀しかったです。
ワタクシ、アラン・リックマンとかハンサムではないけれど背が高くて立ち姿に雰囲気のある声が素敵な俳優さんが好みみたいです。
どこまでが実話なのかはわかりませんが切なかったですね。