講談社文庫
2019年1月 第1刷発行
解説・朝宮運河
1019頁
1789年7月14日、民衆がバスティーユ監獄を襲撃
パリで起きた騒乱は瞬く間にフランス全土に広がります
パリから西へ400km弱、ビスケー湾にほど近いロアール川に面した地方都市ナントに暮らす貴族の嫡男フランソワとその従者ピエール、大ブルジョアのテンプル家嫡男ローラン、日雇いで食いつなぐジャン=マリと妹コレットらの運命も革命により大きく変転していきます
革命後、彼らはフランスを脱出してイギリス・ロンドンへ
革命期に負った傷への代償としての復讐を試みます
全体に悲惨で重々しいナント編に比べ、ロンドン編では暮らしは貧しいものの将来に希望を持って生活する人々の登場で物語に一筋の光が差します
終盤には仕掛けで人を驚かせる蝋人形館、鰐の剥製など幻想文学らしいものも登場し皆川ワールド全開でした
登場人物の案内が無いので読み進めながら自分で人名や相関図のメモを作って何度も何度も見直しながら読みました
ようやく人物と名前が一致し始めたのは舞台がフランスからイギリスに移った辺りからですが、そこでまた新たな登場人物が現れ追記しながら…
文庫本で厚さ4㎝もあり読み終えるのにひと月以上かかりましたが
皆川先生、幸せな読書の時間をありがとうございました!
冒頭と末尾に出てくる『竪琴の全音階を奏でるような楽音』聴いてみたいです
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