ハルキ文庫
2021年7月 第1刷発行
301頁
「いま、ここにいない人やモノの声を聴く」
都会のへりの崖下の町
鯨塚があるその町で、僕は〈流星新聞〉を発行しているアルフレッドの手伝いをしています
深夜営業の〈オキナワ・ステーキ〉を営むゴー君
『ねむりうた』の歌い手にしてピアノ弾きのバジ君
〈ひともしどき〉という名の詩集屋を営むカナさん
メアリー・ポピンズをこよなく愛するミユキさん
個性的で魅力的な住人が織りなす静かで滋味深い長編小説
月船町シリーズに似た雰囲気です
登場人物は皆、心に何かしら抱えながらも、鯨の眠る町で穏やかに暮らしています
今も昔もかつても、あれもこれも、登場人物全員集合で終わる物語
ホンワカ心が温まり優しい気持ちになれます
人生の四つの季節は否応なく冬に向かっているけれど、小さな〈もういちど〉は何度でも繰り返される。
何度でも再生して、何度でもやり直せる。
なんやかや云っても吉田さんの代表作は月舟町シリーズで、これがまた別の「町シリーズ」になってくれればと期待。
ちなみに続編?スピンアウト?の『屋根裏のチェリー』も昨年出版されてます。
比較的読みやすいのも助かります。
「屋根裏の~」文庫になったら読みます!(^^)!