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堀江敏幸「いつか王子駅で」

2010年09月02日 | は行の作家
小説の舞台となっている東京・王子駅、尾久駅辺りに暮らす「私」

その日その日の小さな出会いを愉しみ大切にしている

作中に登場する
印鑑職人・古本屋の店主・町工場の経営者など、市井の人間の物語だけでなく風景や物の位置にも愉しみをみる

町の人々に共通するのは、彼らが、それぞれの日々の仕事で
手足の思考能力を大切に育ててきた人々であり
変わらないでいたことが結果として前向きだったと後から分かってくるような暮しを送る人々であること

そんな人々に囲まれた「私」は自らを省みる

小説の中に、文学や競走馬のことなどが織交ぜられているところも楽しいです



本文より
隠れ家のように利用する大通り沿いの珈琲店で、私は島村利正の筆を追った。頁をひもとけば岩清水のような文章が都塵にまみれた肺をたちまち浄めてくれる

堀江さんの文章
こういった落ち着いた表現が好きです

また
佳い作品を読むことが出来ました

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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へぇ~ (hi-lite)
2010-09-03 21:05:44
王子駅周辺を舞台にした小説があるんですね。
自分、生まれ育ったのが同じ東京都北区なので懐かしいです。
自分もBOOKレビューと散策で二つ王子駅周辺を記事にしてます。
その二つ、TB送りますね(^m^)b
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hi-liteさん (こに)
2010-09-03 21:55:03
そうだったのですか
4月にさいたま市で下宿している息子を訪ねる為京浜東北線に乗りました
王子駅に停車した時
お~ここが、あの王子駅か~、とは思いましたが下車まではしませんでした^^

東京は何処もかしこも小説や歌の舞台になりますね~

トラバありがとうございました

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