「遠い夜明け」
原題 CRY FREEDOM
1987年 アメリカ
【BSプレミアム】
原作 ドナルド・ウッズ
アパルトヘイト政策をとる南アフリカ共和国を舞台に自由な理想社会を叫ぶ黒人男性活動家・ビゴ(デンゼル・ワシントン)と彼を支持する白人男性の新聞記者・ウッズ(ケヴィン・クライン)との熱い友情を描きます
ビゴは前半早めに亡くなってしまい(留置所で殺されたようなもの)、主にはウッズと国との闘いが描かれます
南アフリカ共和国の実態を本にしようと考えるウッズの亡命劇はドキドキの連続でした
アパルトヘイト体制の終焉の始まりとされる1976年に起きたソウェト暴動の鎮圧の場面は酷すぎます
当時、国際社会でも大きく取り上げられた事件なのでニュースなどで見たかもしれませんが全く覚えていません
おそらく自分には関係のない遠い国の出来事と思ったのでしょう
これも歴史の勉強になった作品です
実話に基づくとのこと
本作の場合、事実は小説より奇なりという表現は正しくないかもしれませんが、実話ほど心に訴えてくるものはないと思いました
原題が切実すぎます…
「サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~」
原題 SOUND OF METAL
2020年 アメリカ
【ムービープラス】
聴覚を失ったドラマーの青年の葛藤を描いたドラマ
ドラマーのルーベン(リズ・アーメッド)は恋人ルー(オリヴィア・クック)とロックバンドを組み、トレーラーハウスでアメリカ各地を巡りながらライブに明け暮れる日々を送っていました
しかし、ある日、ルーベンの耳がほとんど聞こえなくなってしまいます
医師から回復の見込みはないと告げられた彼は自暴自棄に陥りますが、ルーに勧められ、ろう者の支援コミュニティへの参加を決意します
音のオンオフで聞こえる世界と聞こえない世界を切り替えることで、これまでルーベンが当たり前に過ごしてきた世界と、現在の世界とを上手く表現しています
コミュニティでの生活はとても穏やかでルーベンの精神状態も随分と落ち着くのですが、やはりどうしてもミュージシャンの生活に戻りたい彼はお金を作って人工内耳を埋め込む手術を受けます
しかし、人工内耳を通して聞こえる外の音は彼が望んだものとは大きく違いました
彼は、人工内耳より静寂を選んだのか
はっきりと描かれていないラストに彼の葛藤が窺えます
恋人のルーも試練を乗り越えて、ルーベンの元に戻ってくれたら良いのですが…
実は2度目の鑑賞です
2度目といっても初回は冒頭10分くらいかな
「セッション」のつもりが間違いとわかってすぐ止めてしまったのでした
再チャレンジして良かったです
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