「皮膚を売った男」
原題 L’HOMME QUI A VENDU SA PEAU
英題 THE MAN WHO SOLD HIS SKIN
2020年 チュニジア、フランス、ベルギー他
【ムービープラス】
「もしも生身の人間が芸術作品となり売買の対象になったら」という設定のもと、移民難民問題をめぐる偽善や現代アートへの知的欺瞞を風刺し理不尽な世界のありようを描いた人間ドラマ
内戦の続くシリアから脱出し難民となったサム(ヤヤ・マヘイニ)は現代アートの巨匠(ケーン・デ・ボーウ)から驚くべき提案を受けます
それはサム自身がアート作品になるというもので、大金と自由を手に入れる代わりに背中にタトゥーを施し「アート作品」になったサムは高額で取引される身となります
売買され国境を越えたサムはシリアで恋人だった女性(ディア・リアン)に会いに行くのですが…
生身の人間は国境を越えられないけれどアートは越えられる、とは何と皮肉なことでしょう
そして想定外の結末が待っていました
様々、複雑な思いの残る作品でした
「ベイビー・ブローカー」
原題 BABY BROKER
2022年 韓国
【日本映画専門チャンネル】
子どもを育てられない人が匿名で赤ちゃんを置いていく「赤ちゃんポスト(ベイビー・ボックス)」を介して出会った人々が織りなす物語
クリーニング店を営むサンヒョン(ソン・ガンホ)と赤ちゃんポストのある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)には「ベイビー・ブローカー」という裏稼業がありました
ある土砂降りの雨の夜、2人は若い女性ソヨン(イ・ジウン)が赤ちゃんポストに預けた赤ん坊をこっそりと連れ去ります
翌日、思い直して戻ってきたソヨンが赤ん坊がいないことに気づき警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく赤ちゃんを連れだしたことを白状します
成り行きから赤ちゃんを育ててくれる養父母探しの旅に出ることに…
一方、サンヒョンとドンスを検挙するために尾行を続けていた刑事のスジン(ペ・ドゥナ)とイ(イ・ジュヨン)は証拠を押さえようと彼らの後を追います
途中で加わった養護施設の少年もあわせて5人の奇妙な赤ちゃんを売るドライブ旅行が展開します
旅を続ける中で明らかになるサンヒョン、ドンス、ソヨンらの過去
やがて彼らの間に絆が生まれ疑似家族の様相を呈してきます
複雑な内容で重いストーリーになりそうなところ、優しいロードムービーに仕上がっているのは是枝裕和監督だからでしょうか
子どもたちが幸せでありますように、と願わずにはおられない作品でした
ソン・ガンホは色んな役柄をこなせるいい俳優さんですね。
まあテーマがテーマだけに、この映画は日本の俳優でなくて良かったかなぁ(笑)
感想にも書いたのですが、是枝監督の『空気人形』に主演したペ・ドゥナを久々に観れて良かったです。
今年初めに観たソン・ガンホ&イ・ビョンホン共演の『非常宣言』」も良かったですよ!
イケメンでないのも良いです^^
ペ・ドゥナも存在感ありますね。
「空気人形」に彼女を起用した是枝監督の眼力は素晴らしいです。
「非常宣言」メモしました( ..)φ
このところイ・ビョンホンの作品は観てないような。
教えていただきありがとうございます。