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あさのあつこ「薫風ただなか」

2020年08月17日 | あ行の作家
角川文庫
2019年6月 初版発行
解説・大矢博子
312頁

石久藩の上士の子弟が通う藩学で虐げられ心身に深い傷を負った鳥羽新吾
庶民も通う開かれた薫風館に学舎を転じ、真の友を得たことで救われます
ある日、家を出て母とは別の女性と暮らす父・兵馬之介が突然帰宅し薫風館を探るよう命じられます
薫風館内に主君暗殺の陰謀があるというのです

身分制度という枷の中で無力を自覚しながら自分の進む道を模索する少年たち
彼らは社会制度は変えられなくても、気づいて学べば人は変われるという真理に到達します
大人たちはそこに気づいているでしょうか
重いテーマを爽やかな成長物語に作り上げた本作
あさのさんのお得意とするところですね

弥勒シリーズ以外の時代物は初読みですが大変面白かったです
こちらもシリーズものとのこと
これはまた読みたい本が増えて困ったことです( ;∀;)


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