講談社文庫
2000年11月 第1刷発行
2021年4月 第41刷発行
解説・石田亨
268頁
東京、青山と麻布と六本木の台地に挟まれた谷間
夜が更けるほどにみずみずしい霧が湧く霞町で恋に遊びにと精一杯生きていた大学受験を控えた高校生たちの甘く切なくほろ苦い青春の1ページを切り取ります
現在は西麻布と名を変えてしまった霞町
威勢のいい江戸っ子たちの末裔の姿も今はない…
すっかり姿を変えた故郷へのノスタルジーに浸りきった作品でした
時代は1960年代でしょうか
浅田次郎さんがご自分のことを書かれたとか
当時の時代背景や登場人物たちの価値観、主人公が敬愛するオーティス・レディングがイマイチ分からず物語にのめり込むことができませんでした
浅田次郎さんは7歳年上なだけですが生まれ育った環境の違いは大きいですね
石田亨さんの解説も自己満足としか受け取れず残念でした
8編からなる連作短編集です
2つめに収録されている「夕暮れ隧道」
他の7編とは少し雰囲気が変わっていて、亡くなっていた若いカップルが現れて…
ホラーよりはファンタジー、胸キュン一歩手前のラブストーリー
これだけは半分くらいのめり込めたかな(*_*)
自らを「ハゲ、デブ、メガネ」とエッセイなどで言っている浅田氏の顔写真と
麻布十番の写真館の息子で女をひっかけまくるカッコイイ伊能青年が、どうしても結びつかない。
これは自伝的要素を含んだ創作物語だったのですねえ!?(^^;
とは言え、読んだのは2003年。内容は全く覚えて居りません。
あるいは男性受けする内容なのかも知れませんね
今度再読してみようかな。
http://todo23.g1.xrea.com/book/keyword.html?key=9784062730150
私の勝手な想像ですけど浅田さんのイメージは、椿山課長や「天国までの100マイル」のダメ息子で本作とは大きく違いました。
ウラスジに著者自身の甘くせつなくほろ苦い生活、と書いてあるのを信じ切ったのがいけなかったようです。
時代設定から仕方ないけど女の子の扱いが不愉快な部分がありました。