「ばしゃ馬さんとビッグマウス」
2013年
脚本家を目指す34歳のみち代(麻生久美子)=ばしゃ馬さん
学生時代からコンクールにオリジナル作品を応募するも落選ばかり
口癖は「私、こんなに頑張っているのに」
シナリオスクールで出会ったのは28歳になる天童(安田章大)=ビッグマウス
他人の作品を批評してばかりで自らは一度も作品を書いたことがありません
みち代に恋をした天童は猛アタックを開始しますがつれない態度のみち代
口ばかりの男を相手にしている時間があったら脚本を書いていたいと思うのですが天童の言葉もあながち間違いではなく悩みは深まるばかり…
介護施設で働く元カレに頼んで施設でアルバイトをさせてもらいその実情を脚本に書くのですが、現実が見えていない甘さを指摘されるばかりで八方塞です
俳優の夢はすっかり諦めたと語っていた元カレが、本心がそうではないと語るシーンはグッと胸にきました
夢を諦めなければいけないのか
諦めることが出来るのか
諦める勇気があるのか
諦める時は今なのか
みち代や天童に「辛いでしょうけど頑張って」みたいな上っ面だけの言葉などとても言えないけれど
何故だか自分が励まされたようで少し不思議な感覚の残る作品でした
「プール」
2009年
タイ・チェンマイ郊外にあるゲストハウスで働く母・京子(小林聡美)を訪ねてきたさよ(伽奈)
母はさよが子供の頃に自分のやりたいことをやると言ってさよを祖母に預けて一人タイに旅立ったのでした
ゲストハウスで過ごすさよですが、オーナーの菊子(もたいまさこ)、従業員の市尾(加瀬亮)、事情があるらしいタイ人の子供・ビーらと上手く馴染めずにいます
数日が過ぎ、自然に囲まれ穏やかな時間が過ぎる中、少しずつ心を開き始めるさよ
母親にも自分の正直な思いを告げることが出来るのでした
何も起こらないシリーズなのは分っていても退屈でした
ここでもう一歩踏み込んでも良いのでは?と思うシーン多し
さよが帰国した後、何かが起こっても、基本彼らには変わらない日々が続くのでしょうね
小林聡美、もたいまさこ、加瀬亮、お三方の良いところが生かしきれていないのでは?
伽奈さんの起用は理解不能(汗)
「メゾン・ド・ヒミコ」
2005年
父親(田中泯)がゲイであることをカミングアウトし家を出てから、母親と二人で暮らしてきた沙織(柴咲コウ)
貧しい暮らしで無理をしたのか母親は若くして病死、今は会社の事務をしながら一人で暮らしています
母親の病気療養にかかった費用が借金として重くのしかかりアルバイトを探す沙織の元に父親の恋人である青年(おだぎりジョー)が訪ねてきます
青年は父親が癌で余命わずかと告げ、高額のアルバイト代を払うから父親が経営するゲイの為の老人ホーム、メゾン・ド・ヒミコの手伝いをして欲しいと誘います
母親と自分を捨てた父親を許せない沙織
最初はお金のために手伝いに通い始めたのでしたが、青年や入居者らの日々に触れるに従い少しずつゲイに対する考え方が変わっていくのでした
ジェンダーのみならず家族、老い、など様々な問題を取り上げています
自分にとっても他人事ではない問題です
自分の残りの人生をどう生きるのか、色々なことを考えさせられました
すっぴんの柴咲コウさんはすっぴんでも綺麗だし
今より痩せているオダギリジョーさんは超カッコイイ
殆どベッドに寝たきりの田中泯さんも“気”が伝わってくる演技に流石と思いました
「どら平太」
2000年
原作・山本周五郎
或る小藩に蔓延る腐敗を正すべく江戸からやって来た破天荒な町奉行の活躍を描きます
町奉行に役所広治
友人に片岡鶴太郎、宇崎竜童
藩の重鎮に大滝秀治、神山茂、加藤武他
悪の親分に菅原文太
どら平太を追い掛けてきた女に浅野ゆう子
出演者は豪華なのですが底が浅い感は拭えません
悪はあっさりどら平太に落ちるし
善の顔をした悪が誰かは最初からわかってしまうし
男ばかりの中、唯一人花を添えるのが浅野ゆう子さん演じる活きのいい東女
彼女だけは好感が持てました
「かあちゃん」
2001年
原作・山本周五郎
江戸・天保年間
貧乏長屋で暮らす母親=かあちゃん(岸恵子)と5人の子供たち
ケチでかなりのお金を貯め込んでいるらしいともっぱらの噂ですが
それにはそれなりの理由があるのです
ある晩、噂話を耳にした一人の喰い詰めた男がその家に盗みに入りますが、男を諭したうえ、行くところがないのなら家で一緒に暮らせばよい、悪いのは人ではなく御政道だ、と静かに語るかあちゃんの言葉に男は涙するのでした
人を信じ愛することを信条とするかあちゃんを巡る人情ドラマは都合が良すぎると仰る方も多いかもしれませんが、これはこれで良いではありませんか
噂話に興じる男たち
江戸屋小猫、中村梅雀、コロッケの掛け合いが楽しかったです♪
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます