「永遠の0」
2015年
テレビ東京 開局50周年スペシャルドラマ
全3話
【チャンネルNECO】
原作 百田尚樹
家族に見守られて祖母・松乃が亡くなります
その場にいた祖父の大石賢一郎(伊東四郎)が突然空に向かって軍隊式の敬礼をし「ありがとうございました」と言います
さらに驚く家族たちに向かって「私はお前たちの本当の祖父ではない」と言うのでした
とても優しく家族を大切にしてくれる祖父が?
とまどうばかりの一人娘の佐伯清子(高畑淳子)、清子の娘・慶子(広末涼子)、息子・健太郎(桐谷健太)
清子にとっての本当の父、慶子と健太郎にとっての本当の祖父はどんな人だったのか
6年が過ぎ、新聞社主催の終戦60周年記念プロジェクトのアシスタントを頼まれたフリーライターの慶子は戦地に行っていたという実の祖父・宮部久蔵(向井理)について調べようと決心、司法試験に落ち続け半ばフリーター状態の健太郎を誘い、新聞社の高山(山口馬木也)の助けを借りながら、その足取りを追い始めます
高山が持ってきた情報によると宮部久蔵は特攻に志願し戦死していました
宮部は出征前に松乃(多部未華子)と祝言を挙げますがその結婚生活はわずか1週間で、ずっと外地と内地を転々としていました
絶対に生きて妻の元に帰ると言っていた宮部が何故特攻に志願したのでしょう
宮部を知る人を訪ね話を聞くと、祖父のことを臆病者という者もいれば、勇敢だったという者、優れた航空兵だったという者、人によって話す内容が全く変わり混乱するばかり
現代で慶子と健太郎に話を聞かせてくれる戦争体験者の思い出はとても厳しいものです
戦地での宮部の関係者を演じる若手俳優さんたち(満島真之介、賀来賢人、工藤阿須加、渡辺大、尾上松也他)と生き延びた老人を演じる老成した俳優さんたち(近藤正臣、小林克也、山本圭、竜雷太、柄本明他)
皆さんの熱のこもった演技に目が離せませんでした
なぜここに生き延びた宮部久蔵がいないのか、わかっていても理不尽な戦争に憤りを覚えます
原作は未読(百田さんの主義主張には賛同できません)
岡田准一さん主演の映画を観たので基本の筋は知っていますが、知っていても辛くて何度も目頭を押さえ、最終話の戦後編
大石賢一郎(中村蒼)が無事戦地から戻り、宮部の書き残した「遺書」に従い、松乃を捜し当たところからはずっとハンカチが手放せませんでした
映画とは全く違うラストに驚愕
敵艦に突っ込む鬼の形相の宮部久蔵は今も思い出すとたまらなく哀しくなります
2013年公開の映画は大ヒットしましたが、本ドラマは視聴率も一桁で評判はイマイチだったようです
ドラマが先だったらどうなっていたでしょう
映画より合計430分という時間を使い骨太に描かれたドラマのほうが上と思います
戦争なんぞするものじゃない
国の指導者はどうしてそんな簡単なことがわからないの?
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