「散歩する侵略者」
2017年
【日本映画専門チャンネル】
数日間、行方がわからなくなっていた夫・真治(松田龍平)が帰ってきたと思ったら、まるで別人のように優しくなっていることに戸惑う妻・鳴海(長澤まさみ)
真治は出張と嘘をついて会社の同僚女性と旅行に出かけたりしており、夫婦仲はすっかり冷め切っていたのです
毎日どこかへ散歩に出かけるようになる真治
時を同じくして町内で一家惨殺事件が発生し、不可解な現象が続発
取材を進めるジャーナリストの桜井(長谷川博巳)は、ある事実に気づきます
不穏な空気が町中を覆う中、鳴海は真治から「地球を侵略しに来た」という衝撃的な言葉を聞きます
真治は宇宙人に身体を乗っ取られていたのです
宇宙人は、地球を侵略すべきかどうか決定するため地球人の『概念』を奪って学習を重ねていました
真治が近所の引き籠り男性から奪ったのは“家”、鳴海の妹からは“家族”、鳴海からは“愛”
宇宙人の決定は、侵略
しかし、真治が奪った概念“愛”により地球攻撃は途中で中止となり、生き残った人々はまた細々と生活を始めていました
松田龍平という役者さんは、不気味さ、不思議さ、とらえどころの無さ、力の抜けた感じを上手く表現しますね
対して、必死に生きようとする姿を体当たりで演じる長澤まさみさんも良かったです
本作は元は舞台とのこと
そう思って観れば悪くない作品と思います
「ともだち」
1974年
【チャンネルNECO】
松田優作が生涯で唯一出演した児童映画とのことで観てみました
舞台は川崎
勉強はイマイチですが明るくてスポーツ好きな弁当屋の息子と、両親が仕事を求めて岩手から転校してきた少女との心の触れあいから「友情」「思いやり」と、それに対して、都市部に暮らす人々の目に見えない差別意識を描きます
空気の汚れた都会に引っ越してきたせいで喘息持ちになってしまった少女
弁当屋に遊びに来るのを病気持ちだから…と否定する両親の考え方には驚きです
公害問題や出稼ぎ問題、当時は大きな社会問題でした
現在はどうかといえば、形は変わっても同様の問題は山積していると思います
松田優作さんは弁当屋で働く若者役
それほど重要な役ではありませんでした
それより、弁当屋の息子の姉役の原田美枝子さんにビックリ
光っていました
「抱きしめたい 真実の物語」
2014年
【チャンネルNECO】
実話に基づいています
舞台は北海道・網走市
交通事故で後遺症が残りながらも明るく生きるヒロイン(北川景子)とタクシー運転手の青年(錦戸亮)とのはかない運命を描きます
大きな愛でヒロインを包んだ青年
錦戸君は、こういう役がぴったりですね
物語は、細部に渡ってくどくどと描くことなくナレーションや文字を使ってテンポ良く進むので厭くことなく観られました
悲話ですが、ラストには微笑ましいシーンも…
エンドロールにはモデルとなった女性の実際のフィルムが流れて、じ~んとなりました
「父ちゃんのポーが聞こえる」
1971年
【日本映画専門チャンネル】
こちらも実在した少女がモデルです
筋肉が委縮してしまうハンチントン舞踏病という難病に冒された少女(吉沢京子)が病と闘い、死に直面しながらも健気に生きようとする日々を描きます
ふくよかで健康的で元気溌剌とした少女が病に冒されていく姿が悲しいです
病が進行し山奥の療養所に入所するしかなかった少女
彼女の唯一の支えは、蒸気機関士の父親(小林桂樹)の運転する汽車が一日2回近くを通るときに鳴らす警笛の音
それがタイトルにもなっている“父ちゃんのポー”でした
ラストの汽笛は心に沁みます
ハンチントン病と聞いて思い出したのは榊邦彦さんのデビュー作「100万分の1の恋人」です
読後、ハンチントン病について色々と調べました
本作の主人公にはハンチントン病の顕著な症状は出ていません
でも、何にせよ幼気の無い少女が病に冒され死を迎える物語は辛いものです…
「ファンシイダンス 4K復刻版」
1989年
【シネフィルWOWOW】
ロックバンドを組んでいた大学生(本木雅弘)が家業を継いで田舎のお寺の坊主になるため修行する姿をコメディタッチで描きます
当然ながら出演している俳優さんたち
鈴木保奈美、竹中直人etcが皆若いです
周防監督の取り上げる題材はいつもながら面白いです
しかし、ただ単に面白い、だけで終わった感じでした
台詞が棒読みなのは演出なのでしょうか?
そうでしたか…。ニュースなどで見る被曝者の方は皆さん長生きされていますので、遺伝子への影響も人によるのかとは思っています。しかし、当事者とあれば不安は他人の計り知れないものと推察いたします。
>幸不幸は物の見方しだい
仰る通り!
一時は悪あがきするかもしれませんが最終的にはそんな境地に落ち着きたいですよね^^