原題 STONE BRUISES
訳・坂本あおい
ハヤカワミステリ
2015年 7月 印刷
361頁
舞台はフランスの田舎町
イギリス・ロンドンに暮らしていたショーンは血の付いた車に乗って何かから逃げているようです
逃げているうちに罠を踏んで重傷を負ったショーンは、それを仕掛けた主が所有する農場で看病を受けます
しかし、屋根裏部屋で幽閉されているような状態の毎日
一体自分はどうなるのか、不安はありますが逃亡者であるショーンにとっては人里離れたその農場は願ってもない隠れ家でした
農場の一癖も二癖もある家族、主と二人の娘とともに過ごす奇妙な日々
そして…
この農場はまるで不気味なマトリョーシカだ
最後の秘密にたどりついたと思うたびに、また次の、さらにおぞましい秘密が中から現れる
まさに、日本語タイトルそのまま
居心地のよい場所でもそこから出ることが出来ないとわかった瞬間に感じる恐怖と絶望感に心がざわつきます
ショーンは農場から出ていくことが出来るのでしょうか
そもそもショーンがフランスまでやってきた理由は何なのでしょう
読後感はあまり良いものではありませんが読ませるサスペンスです
ちなみに原題は、小石などの硬いものを踏んだ時に出来るような足裏の傷やそれに類する痛みをさす言葉だそうです
訳者あとがき『ストーリーを読み終わった後、見えない場所に誰が一番の傷を隠していたと感じるだろうか』
意味深いです
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