「アンティークの祝祭」
原題 LA DERNIERE FOLIE DE CLAIRE DARLING
2019年 フランス
【ムービープラス】
人生の終焉を悟った老女、クレール・ダーリング(カトリーヌ・ドヌーヴ)が半生を共にしてきたアンティークを処分することで、これまでの人生や真に残したい思いが浮かび上がるヒューマンドラマ
近頃、意識や記憶が朧気になることが増えたと感じたクレールは、今日が人生最期の日と確信し、長年かけて集めてきたアンティークの人形や仕掛け時計、肖像画などのコレクションを処分しようと庭先で売り始めます
そんなクレールの奇妙な行動を耳にした娘のマルティーヌ(キアラ・マストロヤンニ)は疎遠になっていた母のもとを訪れるのでした
クレールがアンティーク品から過去を思い出すのですが、それがはっきりとした記憶なのか、記憶の混濁に過ぎないのか明白に描かれておらずファンタジーのようにも思える部分もありました
堂々としながら少し不安も抱えていてオロオロするカトリーヌ・ドヌーヴは大女優ながら可愛さも茶目っ気もあり流石です
実の母と娘の競演は見応えがありました
邦題はエンディングからつけたのでしょうか
確かに“祝祭”ではありましたが例のごとくいかがなものか…余計なものを織り込み過ぎな気がします
「ほえる犬は噛まない」
原題 BARKING DOGS NEVER BITE
2000年 韓国
【ムービープラス】
とあるマンションを舞台に連続子犬失踪事件をめぐる騒動を描いた異色コメディ
中流家庭の住むマンションに暮らすユンジュ(イ・ソンジェ)はうだつの上がらない大学の非常勤講師で出産間近の妻ウンシルに養われながら教授を目指しています
近頃、マンションでは禁止されている犬を飼う人が増えており頻繁に聞こえてくる鳴き声にイラついていたユンジュはたまたま見かけた犬を地下室に閉じ込めてしまいます
一方、マンションの管理事務所で働くヒョンナム(ペ・ドゥナ)は少女の愛犬がいなくなったことを知り迷い犬のビラ貼りを手伝うことになります
犬泥棒の追跡、女同士の友情、夫婦間の溝、貧富の差、など描かれるエピソードは韓国社会の縮図そのもので、よくこれだけのものを盛り込んだものだと思いました
いやぁ、ものすごいストレス社会ですねぇ
コメディではありますが、ド~ンとくるシーンが多かったです
この後、どうなるのか?
きっと皆それぞれ日々を暮らすだけなのでしょう
ヒョンナムの女優さん、どこかで観たと思ったら「空気人形」で素晴らしかった方でした
「2046」
原題 2046
2004年 香港
【Netflix】
1967年の香港で「2046」という近未来小説を書く男の人生と、彼が小説で描く近未来を描きます
元新聞記者で小説家にトニー・レオン
「2046」の登場人物に木村拓哉
他にコン・リー、チャン・ツィイーなどアジアの人気俳優が多く出演しています
小説世界より小説家の生活に多くの時間が割かれています
何故だか女に不自由しないモテ男、トニー・レオンの色気に圧倒されました
キムタクなどは、ただの「人」でした(笑)
あれこれ考えず映像美を楽しむ映画ですね
同じウォン・カーウァイ監督でトニー・レオン主演の「花様年華」のほうがストーリーが広がり過ぎず分かりやすくて観やすかったかな
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