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宮部みゆき「三鬼 三島屋変調百物語 四之続」

2019年10月29日 | ま行の作家


角川文庫
2019年6月 初版発行
解説・瀧井朝世
 665頁

参の「泣き童子」を読んだのは2013年
随分と時間が空いてしまいました

「迷いの旅籠」
ある村から名主と一緒にやってきた子どもが村で起きた怪異事件を領主に語る前に予行演習として黒白の間にやってきます
 取り戻せないものに固執した人間の狂気と寂しさ、哀しさが伝わってきます

「食客ひだる神」
人間に空腹感ををもたらす憑神、ひだる神に取り憑かれた男の話
 ひだる神を否定せず受け入れる夫婦の人の良さ、商売においての成功物語など、怖さはなく微笑ましかったです

「三鬼」
収録されている4編の中で一番痛ましい小藩の江戸家老が語る自らの体験談
若い頃、独自の決まりごとがある山奥の村へ番士として住まっていた時の出来事
 鬼も怖いけれど、しきたりを守り続ける村人の排他的な心理も怖いです

「おくらさま」
過去を語る心は14歳のままの老婦人
その正体は意外なことに…

 

「迷いの旅籠」からわかるように聞き手のおちかは話し手から物語を聞きだすのもずいぶん上手くなりました
そして「おくらさま」では、時を止めてはいけない、自分の心の中に閉じこもっていてはいけない、と思い当たります
新しい登場人物が現れたり、江戸から去る人もいたり、次作「あやかし草紙」も楽しみです
 読み応えのある4編、満足です


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