読書と映画とガーデニング

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沢村凜「カタブツ」

2010年04月14日 | さ行の作家
主人公は堅物と呼ばれる人種
自分が決めたルールを頑なに守ろうとする
どこにでもいそうな普通の人々


「バクのみた夢」
互いに既婚者でありながら出会ってしまった二人
真面目に将来を考える二人のとる行動がありそうでなさそうな、でもあり得るかもと思ってしまう


「袋のカンガルー」
世話の焼ける双子の妹に振り回される兄
恋人が出来ても邪魔されて長続きしない
今度こそ、妹より恋人だ、と心を決めて玄関を出ようとするのだが…


「駅で待つ人」
駅の待ち人観察が大好きな青年
勝手に『エスペランサ』と名付けた女性が待ち続けた男の態度に思わず取った行動は?


「とっさの場合」
独身時代、強迫神経症を患ったことのある妻
自分はとっさの場合に我が子を守ることが出来るのだろうか、という不安に苛まれるようになる
ある日、突発的な事件に遭遇
とっさの場合に夫の取った行動は?


「マリッジブルー、マリングレー」
3年前交通事故に遭った後数日の記憶が無い男
今では3年前の事は忘れ恋人との結婚も間近なのだが、昔の恋人からの電話にあの数日の出来事への不安が大きくなる


「無言電話の向こう側」
いつでも自信満々、理性的、かといって独善的でもない友人
彼には苦い過去があり、律儀にもその過去への償いの思いで毎日を生活している


誠実であろう
正直であろう
とすればするほど現実にそぐわなくなっていく主人公達を優しく描いています

私達も明日経験するかもしれない
生活と背中合わせのホラーでもありますが…



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