訳・齋藤可津子
早川書房
解説・高崎順子
239頁
三大陸の三人の女性
かけ離れた境遇に生きる彼女たちに共通するのは、女性に押し付けられる困難と差別に立ち向かっていること
インドに暮らす最下層身分、不可触民(ダリット)のスミタは娘の教育のため
イタリア・シチリアに暮らす毛髪加工会社経営者の娘ジュリアは倒産寸前の会社と従業員たちを守るため
カナダ・モントリオールに暮らすシングルマザーの弁護士サラは自らの病と夢のため
全く関係のない3つの物語がちょうど三つ編みのように交差して語られるうち美しい髪をたどって深々と結びついていきます
彼女たちはこの先どうなっていくのだろう
ドキドキしながら頁をめくり
ラストでサラが病と戦い生きていくと決心するところでは心が震えました
スミタの、ジュリアの、そしてサラの思いがここに集まって花を咲かせたのです
みんなに救われ、サラはみんなにありがとう、と言いたい
自分はここにいる、そう、たしかにいま、ここにいる
まだこれからも長くいる
そう考えて、微笑する
フランスで80万部突破
32言語で翻訳決定
文学賞8冠達成
女性の物語ですが、それぞれに女性に寄り添う男性たちも描かれており、声高に女性云々を唱えるフェミニズム作品ではないところも世界中で受け入れられている要素かと思います
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