小耳に挟む

携帯電話とは罪なもので、

本人も気付かないうちにプライバシーだだ漏れである。




・・・・だって、勝手に耳に入って来るんだもん♪

そして、こっちも勝手に聞いているだけなので、
不思議な会話をしているとめちゃくちゃ気になるのだが、
確認することができない、という妙な感覚が残るのだ。


ちなみに・・・


深夜のマックにて・・・

　夜も23時頃、店内のメンバーも若干怪しさ漂う時間帯。
　隣の席には、「決して小奇麗とは言えない年のころ３０代後半くらいの女性」
　が、しきりに携帯で電話を掛けている。

　エビちゃんに「決して小奇麗とは言えない・・・」と言われるくらいなら話半分だが、
　大してオシャレにも気を遣わないワタシに言われるくらいだから、
　まあ、そんな感じの女性なのだが。
　（というか、ぶっちゃけ深夜営業店に寝泊りしている感じの風貌・・・）

　ふと流れてくる声をよく聞いてみると、
　「当方、３０代の女性です。
　　ご連絡いただけるの待ってます。
　　とても寂しいです・・・・」

　・・・的なことを次々と吹き込んでいる。
　その筋のあんなヤツ関係のサービス的な（うにゃむにゃ）ところに登録しているらしい。

　むむ～。プロですか？プロですか？
　お互い様だけど、騙されんなよ～男子～～。

駅前のバス停にて・・・

　朝仕事先に向かうバスを待っていた。
　ら、同じバスを待っているらしいビジネスマンが、
　がんがん電話を掛け始めた。

　「ワタクシ、○○の△△です。いつもお世話になっております！
　　このたびの『セイニク』の件では迷惑お掛けしました。
　　それで、□□君を１ヶ月お借りする件ですが、ホテルの手配など・・・（云々）」
　「ワタクシ、○○の△△です。いつもお世話になっております！
　　このたびの『セイニク』の件では迷惑お掛けしました。
　　それで、（以下略）」
　「ワタクシ、○○の△△です。いつもお世話になっております！
　　このたびの『セイニク』の件では（以下略）」

　・・・・と、澱みなく『セイニク』関係の電話が続く・・・。

　き・・・気になる・・・・『セイニク』ってやっぱり『精肉』のことですか？
　で、お宅はどこのどなたですか？気になるんですけど。

　でも、聞けない。
　ワタシの奥歯にモノが挟んだまま、彼はどこかへ消えていくのであった。



とまあ、そんなこんなで、
多分、一生でたった一回、この一瞬だけすれ違った赤の他人の、
プライバシーにうっかり（中途半端に）触れてしまうこともあるわけで、
個人情報が漏れちゃったりしないように、要注意でございます。