みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0890「しずく93~捜索」

2020-05-10 18:09:50 | ブログ連載~しずく

 柊(ひいらぎ)あずみは何度も電話(でんわ)をかけていた。でも、なかなか相手(あいて)が出ないようで、イライラしながらブツブツと何かを呟(つぶや)いてる。相手とやっとつながると、あずみは捲(まく)し立てるように言った。
「もう、何やってるのよ。ちゃんと出なさいよ。心配(しんぱい)するじゃない」
 相手は千鶴(ちづる)だった。千鶴は落ち着いた声で、「ごめんなさい。ちょっと忙(いそが)しくて」
「あなたに頼(たの)みたいことがあるの。この間、連(つ)れて行った娘(こ)、憶(おぼ)えてる?」
「ええ、つくねちゃんね。とっても可愛(かわい)い娘(こ)だったから憶えてるわよ」
「その娘(こ)が、あいつらに連れて行かれたの。大至急(だいしきゅう)、どこにいるのか捜(さが)してほしいの」
「それは大変(たいへん)…。分かったわ、やってみるから。それっていつのことなの?」
「いつって…。もう、あなた私のこと覗(のぞ)き見してるくせに、よくそんなこと…」
「あら、私、いつも見てるわけじゃないわよ。失礼(しつれい)なこと言わないで」
「とにかく早く見つけないと、あいつらに何されるか分からないのよ。急いでやって」
「じゃあ、あの娘(こ)に手伝(てつだ)ってもらうわ。ほら、もうひとりの…」
 電話の相手が変わったようで、「先生、私に任(まか)せて」
 あずみは息(いき)を呑(の)んで、「し、しずく…なの? あなた、目を覚ましたのね! よかった…、ほんとによかった。もう大丈夫(だいじょうぶ)なの、身体(からだ)の方は――」
<つぶやき>つくねを見つけることができるのでしょうか? しずくにはどんな能力(ちから)が…。
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