男はベッドに横(よこ)たわっている女を見て驚(おどろ)いた。この女、とんでもない食(く)わせ物(もの)かもしれないぞ。素人(しろうと)女が金欲(かねほ)しさに誘(さそ)ってきたと思ったが、今は娼婦(しょうふ)の顔をしてやがる。
女は服(ふく)の胸(むね)をはだけて物欲(ものほ)しげな目をしていた。男は身震(みぶる)いした。この男は何人もの女を食い物にしてきたが、こんなにそそられる女は初めてだった。男はまるで獣(けもの)のように女を抱(だ)きしめた。女は、男をたしなめるように優(やさ)しくささやく。
「ダメよ。慌(あわ)てないで。さぁ、服を脱(ぬ)いでちょうだい。全部(ぜんぶ)よ」
男は女から離(はな)れると、勢(いきお)いよく服を脱いだ。女は、現れたたくましい身体(からだ)を見て呟(つぶや)く。
「まぁ、すごいわ。何てすてきな筋肉(きんにく)をしているの。とっても美味(おい)しそう」
男には、そんな呟きなど耳に入らなかった。全裸(ぜんら)になると、女に取りついて服を脱がせ始めた。女は、また男にささやいた。
「ちょっと待って…。ねぇ、もっとよく見せてよ。あなたの身体…」
「なに言ってるんだ。勿体(もったい)ぶらないで、お前も裸(はだか)になって――」
女は、男の口に吸(す)いついて黙(だま)らせると、男の身体をペロペロとなめまわした。そして、男の顔を間近(まぢか)で見つめるとにっこり微笑(ほほえ)んで、
「ありがとう。服を着てると、歯(は)に引っかかって食べにくいのよ」
男に考える余裕(よゆう)などなかった。女はペロリと舌(した)なめずりをすると、口を大きく開いて、男を頭から呑(の)み込んでしまった。
<つぶやき>これは、うわばみだったのでしょうか? こ、こんなことって、恐(こわ)すぎます。
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