キ上の空論

小説もどきや日常などの雑文・覚え書きです。

赤い服について思う

2022年04月06日 | 日常
 あと2話の朝ドラについて、あちこち迷走しながら思ったことを書きたい。
 安子編は感想書いたけど、書きそびれていたというか、余計な記憶がついてきて見落とす形になってた赤い服について。
 戦中から戦後にかけて、歪んだマチズムと、いじましい「自分が辛いから誰かにもっと辛い目に遭って欲しい」同調圧力とで、おしゃれは芽を摘み取られ、否定され、価値を貶められ、叩き潰され、磨り潰されていた。とりわけ目の敵にされていたのが赤。(実在したかはわからないけれど)「赤い服を着た女がいたので石を投げつけてやりました」と投書する小学生に、「坊や良いことをしたね」と記者がコメントを寄せる新聞(あの新聞)。制服の下に着ていた防寒着の赤い毛糸を見とがめて激しい暴行に及ぶ兵士(二桁年前に女性誌に同時こどもだった方が寄せてくださった回想)。赤いシャツを着ている青年を見て、わざわさえずくような仕草をしてから顔をそらす普通の人々(西村滋先生のどの本だったか、記憶が曖昧。かつて雨漏りで全滅した本棚に何冊か入っていた)。『坊っちゃん』の時代には気取った男性のおしゃれな服だった赤シャツが、気違いか非国民の印象を染み込まされていた。
 色彩を失う人々をよそに、赤いベストを着続ける人が、「常識的な」行動は取らない。結婚はするけど格上の相手の家に入る気はさらさらなく、相手の家風は基本的にフルシカト。個人的にものを言われたときだけ応じる体で不満を持ちつつ黙る。
サブマリン問題行動だとか、赤い服だとか、個人的にしんどみのある記憶を、せっかく静かにしまってあったのにいちいち引きずり出されてざらざらした気分になるのは避けたいけど、何かしらの解決か解決のヒントになればと思って見てたらそのまんまの安子でしたわ。変われないよねえ、やっぱり。そうだよねえ。
 今日のは二時間ドラマのような移動だなと、岡山の地理を知らないまま絵面を見て言っていたら、地元の方から指摘があったようで。地元だと具体的に距離がわかるから、あんなに森山さんを走らせたの!?ってなるよね。
 ひなた編感想は終わってから書きます。
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