キ上の空論

小説もどきや日常などの雑文・覚え書きです。

飛ばない教室

2007年12月24日 | みるいら
 いつもより遅く帰ってきた兄さんが、余ったからと小さな袋に入ったお菓子をくれた。小さなリボンが付いていて、開けるのももったいない気がする。
 均等に配ると、とめさんは荷物に入れ(甘い物好きの姉がいるそうだ)、大家はコップの横に置き(満足そうに眺めている)、石飛はすぐに袋を空けた。
 兄さんは台所で、多分、今日の夕食を作っている。
 とめさんは時計を見た。
「長居しちゃったね」
 と言いながらも、帰る気配はない。
 卒論の締め切りまであと少し。学校で顔を合わせることもほとんどなくなってきた。
 この時間を惜しみたい。
 いつのまにかぼんやりとテレビを見ていた大家が
「このシリーズさ、変身ヒーローのジャスティス先生とか出てこないかなあ」
 と石飛に振り返った。
 がたん。
 台所で大きな音がした。
 石飛は身を折ってふるえている。
 残念ながら、ぼくには何がおかしいのかさっぱりわからない。わからないけど、まあいいや。

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ケストナーの『飛ぶ教室』は“クリスマスの話”、正義先生(訳本によっては正義さん)が登場します。
“このシリーズ”はファンタ先生。個人的には将軍先生が一押しです。
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ぼくじゃない

2007年12月05日 | みるいら
 寒くなってきたなと思うと同時に、年末近いあの日が来ると知る。
 先々月、先月と続いて、もう限界だからと言ってようやく平穏に過ごせるようになったと錯覚していたのに。正直に言えば、向こう半年は見たくもないと思う。
 終いにはケーキとプディングになって「配って」と差し出されたアレ。
 石飛が幸せそうにケーキを食べるのをみて五月女に睨まれた。けど、ケーキを作ったのも、職場から大量にカボチャを持ち帰ったのも、ぼくじゃないよ、とめさん。

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久しぶりすぎてやっぱりだめな感じがします。
五月女君は「そうとめ」君です。通称とめさん。
クリスマスの前に冬至。冬至と言えば、ゆず湯とカボチャ。
カボチャの味は結構強いので、好みが分かれそうです。
好きだけど大量には食べたくないかなあ。
あ、また言い訳文の方が長くなっちゃいました。
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