〈第三項〉論で読む近代小説  ◆田中実の文学講座◆

近代小説の読みに革命を起こす〈第三項〉論とは?
あなたの世界像が壊れます!

明日の文学講座

2022-11-24 20:09:28 | 日記
明日土曜日の文学講座のテーマを「近代小説の未来」としたのは
「近代小説の終り」という柄谷行人氏の説に対して、
かつて『これからの文学研究と思想の地平』(2007・7  右文書院)で
「小説は何故(why)に応答する―日本近代文学研究の復権の試み―」で論じたことを
改めて論じたくなったからです。
と言うのも、柄谷氏の最新の大著『力と交換様式』を前にしたことが
一つの動機になっています。

私見の前提になるのは、これまで前回・前々回と読んできた村上春樹の『木野』論です。
『木野』は本当に「難しい」小説でしたが、改めて興味深く読めてきました。
彼の小説がいかに所謂リアリズム小説とは異なり、「目ざまし時計の分解」をしているか、
そして、近代小説がいかに「目覚まし時計」として捉えられているか、このお話です。

私は実は、平野啓一郎さんが京都大学法学部の三年生の時に書いた『日蝕』に本当に驚愕、
感動したことを憶えています。
現在芥川賞の選考委員にもなって、小説界をリードしているのは尤もです。
しかし、小説の読み方はまるで違います。
明日はそんな話もします。
 
なお、12月10日は埼玉大学に出かけて行って講演します。
明日の話の続きをそこでする予定です。
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文学講座のこと(更新)

2022-11-24 20:09:18 | 日記
ブログを随分、休んでいました。

26日の講座は「近代小説の未来」と題して、その可能性を考えます。
村上春樹の『木野』を三回にわたって論じて来ましたが、
それだけこの小説は村上春樹自身が語っているように「仕上げるのに難しい」小説でした。
この問題を踏まえ、「近代小説の形式」を対象化して、
近代小説の物語を捉える陥穽をいかに超えるかをお話します。

物語は長い伝統にありますが、近代小説はこれを受けてリアリズムを目指しながらも、
「客観描写」の虚偽が説かれ、「近代小説の終り」等と言われてきました。
それでも現在も、芥川賞や直木賞など常に話題になります。

村上春樹は世界で読まれています。
これと『風の歌を聴け』あるいは、近代小説の出発の時期の『舞姫』とは
どう関わっているのか、
例えば、現代作家のお一人、平野啓一郎さんは『舞姫』をどう読まれているのか、
そんな紹介もできればよいなと思っています。
以下はいつも係の小山さんが送ってくれる文章を以下に掲げます。


1月26日(土)に、田中実文学講座を開きます。

 今回のテーマは「近代小説の未来」となります。
 はじめて方も歓迎します。大勢の皆さんのご参加をお待ちしています。

 ※下記時間は日本時間である。

作品      特になし
講師      田中実先生(都留文科大学名誉教授)
日時      2022年11月26日(土)午後1時半から午後3時
参加方法    zoomによるリモート
申込締切    2022年11月25日(金)まで 19:00

参加をご希望の方は、下記申込フォームから申し込んでください。
申し込まれた方には、締め切り時間後に折り返しメールでご案内します。

https://forms.office.com/r/SJJ7TtBTF3
(昨日アップした際のアドレスは誤っていました。失礼しました。)

問い合わせ:dai3kou.bungaku.kyouiku@gmail.com

主催   朴木(ほおのき)の会

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