英彦山の姫沙羅と大山蓮華はどうだろうか?
この前の黒髪山のように、花期を逸してはいないだろうか?
「さすがにもう行かんと。登ってくる。」(私)
「おう、行ってこい。」(家内)
てな訳で、英彦山である。
最初のポイント、奉幣殿の姫沙羅は・・・
咲いてた!
ピンクのワンポイントが、得も言われず上品である。
英彦山の固有種である姫沙羅は、その最終盤を迎えていた。
奉幣殿からは正面参道を行く。
タツナミソウ
ヤマゴボウ
行者堂近くまで登ってきた。
さて、次のお目当ては・・・
言わずと知れた大山蓮華である。
今年もまた、この森の貴婦人への拝謁が叶った。
中岳山頂。
昼飯を食っていると、気になる話が耳に飛び込んできた。
中岳頂上には、英彦山神宮上宮が古来より鎮座する。
現在の社殿は、天保13年創建の物。
社殿には、崩壊の危険が迫っており、
暫く前から立入禁止となっていた。
「社殿の工事が、いよいよ始まるらしかよ。」(登山者A)
「あら、そうね。」(同B)
私も話に加えて貰った。
「それは、いつからです?モグモグ。」
「8月げな。工事中は、行者堂から上は立入禁止だって。」
「するってえと・・・ゴックン。」
「あの大山蓮華も、あと5年は見られんたい。」
「ははあ。南岳~中岳~北岳の縦走も出来んって訳か。」
8月以降、英彦山への向き合い方は、変わらざるを得ないようだ。
頂上には一本の英彦山姫沙羅の木がある。
昼飯を食べ終わったら、早速その木の方へ。
山頂の姫沙羅も、同じく終わりがけである。
拾い集められた、英彦山姫沙羅の花弁。
岩場を降りていく。
ドウダンツツジのすぐ傍に、
大山蓮華が一輪だけ咲いていた。
岩場を降りて、
北岳へ。
北岳到着。
そのまま、豊前坊へと下りていく。
最後のポイント、溶岩の壁の大山蓮華だ。
山頂で、上宮工事の情報をくれたオジサンによると、
「溶岩の壁のやつは、樹勢が弱くなっとるもんね。あんまり咲いとらんよ。」
なるほど、オジサンの言うとおりだ。
見たところ、花を咲かせているのは、ごく僅かであった。
何はともあれ今回の目的、『英彦山姫沙羅と大山蓮華を見る』は達成である。
奇岩が立ち並ぶ豊前坊へと続く登山道は、
苔むしていて、且つ、浮き石も多く、慎重に降りる必要がある。
ひゃー、なんとか転びもせずに、無事に豊前坊に着いたぜ。
と、
ほっとしたのも束の間。
何て事無い境内の石段で、スッテンコロリンと盛大に転んでしまった。
イテテテ
参拝者にそれをしっかり見られ、かなり恥ずかしかった事を告白しておく。
後は豊前坊から別所駐車場へ、ひたすら歩いて帰るだけである。
ユキノシタ
別所到着。
はー、着いた、着いた。
ん?
英彦山名物焼餅か。
「オバチャン、焼餅頂戴!」
ちっちゃ!
あんなにボリューミだった英彦山焼餅が、これでは普通サイズじゃん。
まあ、しゃあない。
小豆の値も上がったろうしね。
こんな山の中にも、値上げの波が押し寄せているようだ。