ピンポーン
「宅配便でーす。」
ほいほい、来た来た。
2度目の《スマホ紛失 in くじゅう》という、情けなさすぎる事件を引き起こした私。
最初の時も2回目の時も、絶望的な条件にもかかわらず、奇跡的に我が手元に戻ってきた。
特に今回、見つけてくれただけでも有難いのに、わざわざ回り道をして、我が自宅まで届けて下さったご夫妻には、感謝してもしきれない。
だが、こんな僥倖が何度も続くわけがない。
2度ある事は3度あると言う。
早速手を打った。
まずは、スマホケースである。
首掛けが出来る物に変更した。
ストラップは変える。
既に首掛け用は注文済みだ。
とは言え、これで完了ではない。
自慢じゃないが私クラスのウッカリ者になると、首に掛けたぐらいじゃ全然安心できないのだ。
現にこれまで、首にかけるに決まってるカメラでさえ、山中に2回も置き去りにしている。
休憩時、ザックと共にそこらに置いて、そのまま置き忘れるのだから、世話は無い。
2回ともすぐ取って返し、大事には至らなかったが、事程左様に私の前頭葉は危ういのだ。
ここで登場するのが、随分前に長女から貰ったスマートウオッチだ。
娘には悪いが視認性があまり良くなく、山へは持って行かなくなっていたが、これを契機に見直す事にした。
何しろこれには、スマホの置き忘れをバイブレーションで知らせる機能が付いているのだ。
さすがにスーパーウッカリ君の私といえども、ここまでやれば大丈夫だろう。
これで、もし3度目があったとしたら・・・・
そこから先は、考えるのは止める。