日曜日
久住佐渡窪のマンサクを見に行く。
前日から我が家に泊まりに来ていた義兄と共に、早朝より出発である。
一番水登山口駐車場到着。
普段なら、多くて数台程度だが、この時ばかりは既に満杯状態である。
勿論、全員が佐渡窪のマンサク目当てなのは言うまでもない。
幸いにも一番隅っこに、ギリギリ一台分の空きスペースを発見。
張り出した木の枝を交わし、無事駐車する事に成功した。
ちっこい赤口号で良かったぜ。
気の毒にも、私共の後から来た登山者は、路駐を余儀なくされる事となった。
では出発だ。
先ずは佐渡窪を目指し、その後は白口岳に登る予定である。
登山道は、この2~3日の寒の戻りで、冬山に逆戻りだ。
霜柱に覆われている。
鍋割峠までは、ダラダラとしたつづら折りの登りが続く。
このガレ場を越えると、
鍋割峠到着だ。
今月初めには咲いていたと言う峠手前のマンサクは、既に終わってしまったのか、ここまで一度も、黄色の色彩に出会わず。
峠を降りれば、すぐに佐渡窪が眼下に見えてくる。
木道を行く。
回りをとり囲む山の斜面には、マンサクの黄色はちらほら程度。
そして、
うーーん。
咲いているのはここだけ。
噂通り、どうやら遅かったようだ。
白口岳山頂辺りは、薄っすらと白く化粧しているのが見える。
この日の佐渡窪は、鉾立峠を越えてくる突風が吹き荒れ、じっとしていると寒いのなんの。
慌ててザックを降ろし、トレーナーを一枚着込む。
何はともあれ、一応これで、佐渡窪のマンサクを見ると言う目的は達成。
鉾立峠へと進む。
ハーハー、ゼエゼエ。
鉾立峠到着だ。
正面に三俣の山塊、眼下には坊がつるが見える。
風強し。
時折の突風は、体を持って行かれる程である。
正面には目標の白口岳がどっしりと聳えている。
だが、白口岳下山時のあの激下りは、この風と、霜柱が解けた場合の道の泥濘具合を考えると、躊躇してしまう。
「今日は白口は止めとこう。立中山にしようか。」(私)
「オイはどっちでんよかよ。どっちにしろ初めてだし。」(義兄)
妥協する事に関しては、人語に落ちない私だ。
白口と反対側に、のんびりと寝そべっているかのような立中山に進路を決定する。
とは言え、立中山の登山道もこの状態である。
登る時は、地面が凍っているのでまだ良い。
問題は下山時だ。
案の定地面が緩み、半ばズルズルと滑りながら降りる羽目に。
結果的に、白口岳断念して立中山を選択したのは大正解であった。
空が開けてきた。
立中山山頂だ。
山頂には、溶け残りの雪もちらほら。
大船山
カッコいいぜ。
三俣山。
そして、
白く雪を纏った、美しき中岳にカメラを向けた時、
『バッテリーが無くなりました』
そうカメラが言った。
ありゃまあ、もうお仕事は出来ないとおっしゃるんで?
まあ、いいや。
立中山を難儀しながらも無事下山。
風が強い鉾立峠は降り、風の影響が少ない樹林帯で昼食にした。
蛇足ながら、以後はスマホの画像である。
『はい、あーん💛』by樋口日奈
こら!大人をからかうんじゃありません。
あーーん。
佐渡窪まで降りてきた頃、風は止むも、今度は霰が降ってきた。
予報では晴れだったのに・・・
山ばっかりは当てにはならぬ。
帰路。
野焼きの現場に遭遇。
慌てて路傍に車を停め、スマホを手に持ち窓を開けた。
途端に、パチパチと草が弾ける音とともに、熱風も車内に入ってくる。
「ヒロちゃん、危なかよ。火の粉が飛んでくるばい。」(義兄)
「う、うん。一枚だけ撮るけん。」(私)
阿蘇&くじゅうは野焼きのシーズンとなったようだ。