烏帽子岳を下り、杵島岳登山口へと道路を歩いていると、
路傍に奇妙な物が。
地蔵である。
いつの頃からここに祀られているのか。
幾度となく降り積もる火山灰は、地蔵を胸元まで埋めた。
このままでは、完全埋没の日も、そう遠くはない。
関係各位に、レスキューをお願いしたい。
さて杵島岳である。
今回は、いつもとは違うルートでのアクセスとなる。
遠くてハッキリしないが、これはホオアカのようだ。
赤い山肌を露わにする杵島岳。
急登を行く。
この傾斜は、頂上まで容赦なく続く。
「コース選択ば間違えたっちゃなかね。ゼエゼエ」(家内)
「ハーハー。う、うるさい!たまには違うルートば登らんと。」(私)
ハアハアハア
山頂、見えたぜ。
疲労困憊でしゃがみ込む私達。
すると、
ほぼ同時に正面石段ルートから、キャーキャーと騒ぐ声が聞こえてきた。
何処かの幼稚園の遠足らしい。
「ハーイ、みんなー。頂上ですよ。」(先生A)
「ワーイ!ねえねえ、あっちまで行こうよ。」(園児A)
「うん、行こう。ワーイ!」(園児B)
「こらこら、走るなー!転ぶよ。」(先生B)
登頂直後なのに元気が有り余って、チョコマカ走り回る小さな怪獣達。
なんたるスタミナ!
無尽蔵と言うべきである。
それに比べて我々は、
「お鉢周りは後にして休憩しよう。お昼食べようか。ゼヒー、ゼヒー」(私)
この体たらくである。
そんな訳で、昼飯である。
見よ!
今日は、ちゃんと箸が揃っている。
まことにめでたい。
さてお鉢周りだ。
爽やかな青空の下、火口淵を一廻りしよう。
往生岳の下には阿蘇千枚田が広がる。
田んぼには水が張られ、パッチワークのようだ。
更に外輪山の向こうには、くじゅう連山が横たわる。
今月末頃には、連山はピンクに染まるだろう。
ハルリンドウはそこかしこに。
中にはシロバナも。
こちらはイワカガミ。
噴火レベルに引き上げられたばかりの中岳。
Fさん夫婦は、その引き上げられた当日に、中岳に登っている
登り始めは当然入山規制もなく、スムーズに歩けたらしいが、下山途中から火山活動が活発になり、
「仙酔峡ロープウエイ跡を下る時になると、息が苦しくて・・・」
子供から届いたLINEで、初めて噴火レベルが2になった事を知ったそうだ。
危機一髪である。
山頂標識まで戻ってきた。
キアゲハ
ツマグロヒョウモン
あの元気怪獣らも、とうの昔に降りたようだ。
我々も降りよう。
おっとカケスやん。
最近、カケスづいてるぜ。
こちらはホオジロ。
そしてご褒美のこれだ。
いと美味し。
この後、阿蘇山上ターミナルに移動。
烏帽子岳山頂から見た、あのピンクの絨毯に身を置く。
桃色日和の阿蘇。
心ゆくまで堪能した。